「次の日に残る」というイメージが強く、敬遠されがちな日本酒。しかし最近では、酒蔵さん、蔵人(くらびと)さんの努力もあって、日本酒と言ってもさまざまな口当たりのものが出回るようになり、その美味しさから空前の日本酒ブームが起きています。
スポットライトの当たり始めた日本酒を、作られた土地で敬われている神様と一緒にご紹介していきます。日本酒の原料は、水と米。お酒が作られる土地には、必ず神様と共に大切にされた名水があると言っても過言ではないのです。
日本の大地からの恵み ~日本酒と神様をめぐる~vol.1
大神神社のお膝元 今西酒造 みむろ杉 ≪夏純≫
◎今西酒造・みむろ杉≪夏純≫を味わう
今年の夏は、暑かったですね。過去形にするのがはばかられるほど、暦の上で「処暑」という「暑さの峠を越えた」という意味の時期を迎えてもなお、まだまだ暑い。
ということで、今回は爽やかな酸度もあり、飲み口もすっきりな「夏酒」をご紹介します。
奈良県桜井市三輪にある今西酒造さんの、みむろ杉 ≪夏純≫
上槽後、一切加水濾過をしていない無濾過原酒の生詰タイプで期間限定のお酒です。
精米歩合が65%と高いので、すっきり爽やか。
適度な酸味もあり軽い口当たりながら、純米酒なので米の旨さもしっかり感じられます。
ボトルやラベルも夏らしい。限定で出しているお酒なので、見つけたらぜひ味わってみてくださいね。
◎今西酒造さんのある奈良県桜井市三輪は、お酒造りの聖地
今回紹介した「みむろ杉」を造っている今西酒造さんがあるのは、奈良県桜井市三輪という土地で、三輪そうめんでも有名な場所です。
この土地は、「酒造り発祥の地」と言われています。そして日本の酒造りを語るうえで、欠かせない場所が大神神社(おおみわじんじゃ)です。
なぜ三輪が酒造り発祥の地といわれるのでしょうか? それは日本書紀にこんな記述があるためです。
崇神天皇の時代の我が国は、疫病の流行で混乱を極めていたそうです。どうすれば良いか……、悩んだ崇神天皇(すじんてんのう)は、大物主神(おおものぬしのかみ)からのお告げを夢で見ます。
「私の祖先である大田田根子(おおたたねこ)を祭主にして、酒を奉納せよ」。
それを聞いた天皇は早速、酒造りを始め、できたその酒を「お神酒」(おみき)として奉納し、その後、疫病はなくなったと言われています。
そんな逸話も残る三輪の酒造り。現在の今西酒造さんのお酒の仕込みで使われるお水は、大神神社の摂社(せっしゃ)、狭井神社(さいじんじゃ)の薬井戸(くすりいど)から湧く、万病に効くという薬水(くすりみず)と同じ水です。
狭井神社は、お酒の神様と言われる少彦名神(すくなひこなかみ)が奉られていて、
大神神社のご神体である三輪山への登山道の入り口にもなっています。
そんなお酒と神様のご縁もあって、時期は限定されるようですが、三輪では蔵主・蔵人・三輪氏子のガイドと共に大神神社・三輪町を歩く、酒造りの聖地を巡るガイドツアーも行われているそうです。
◇酒の神が鎮まる地 奈良・三輪 ガイド付き聖地巡盃ツアー
http://imanishisyuzou.com/kankou/tour.html
◎酒蔵や酒屋さんの軒先にある杉玉
酒屋さんや酒蔵の軒先で、このような杉の玉をみたことはありませんか?
この「杉玉」、大神神社から全国の酒蔵に届けられています。
見かけたら、じっとみていただくと、どこの酒蔵の杉玉にも「三輪明神・しるしの杉玉」と書かれています。
新酒ができた頃に「青々とした杉玉」が吊るされて、一年かけて徐々に茶色になっていくのですが、その色の変化が酒の熟成具合とリンクすると言われています。
日本の大地からの恵み~日本酒と神様をめぐる~vol.1は、奈良は桜井のお酒・みむろ杉と日本最古の神社の一つと言われる大神神社と、大物主神様からのお告げで崇神天皇が始めた最古の酒造りについてお話しました。今後も、全国各地の美味しい日本酒と神様のお話を綴っていきます。
みむろ杉 今西酒造
http://www.imanishisyuzou.com/
大神神社
http://oomiwa.or.jp/
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