日本の大地からの恵み ~日本酒と神様をめぐる~番外編~
出雲伝説の酒を再現 國暉酒造 八塩折仕込(八塩折の酒)
先日、8月のファーストデーに映画シン・ゴジラを観ました。
映画が始まりほどなくして、画面のゴジラと、古事記の怪物ヤマタノオロチが重なって見えました。
神話で描かれるヤマタノオロチのただれた背中に血を流しながら暴れまわる姿と、シン・ゴジラの背中から熱した溶岩のようにも見える炎を上げながら暴れまわる姿がダブって見えたのです。
そして、「なるほど」と納得したのが、映画に出てくる「ヤシオリ作戦」。
古事記・日本書紀には、最古の酒として「八塩折の酒(やしおりのさけ)」が登場します。
今回は、その「八塩折の酒」の酒を再現したお酒のお話です。
これまでは、実際に飲んだ日本酒を紹介してまいりましたが、今回はまだ飲む機会に恵まれず、感想をお伝えすることができないことから、番外編とさせていただいております。
◎出雲の国ヤマタノオロチ伝説と
スサノオノミコト
「古事記」は712年、「日本書紀」は720年、どちらも奈良時代に編纂された歴史書です。
そして、「古事記」は上巻、「日本書紀」は神代巻の半分までが、出雲とその出雲周辺を舞台にした出雲神話で占められています。
その中の一つがヤマタノオロチ伝説です。
乱暴・狼藉を働き、高天原(たかまがはら)を追われたスサノオノミコトは出雲の国にやってきて、八人の娘を毎年一人づつ食い殺されてしまったと嘆く老夫婦に出会います。
老夫婦の傍らで泣いていた残りの一人となった娘クシナダヒメを妻にめとることを条件に、スサノオノミコトはヤマタノオロチの退治に出かけます。
剛腕で知られていたスサノオノミコトでしたが、八つの頭を持ち暴れまわるヤマタノオロチに、正攻法では敵わないと知恵を絞り、強い酒を仕込み、ヤマタノオロチを酔わせ、寝込んだヤマタノオロチを討つ計画を立てます。
そのヤマタノオロチ征伐に使われた強い酒が「八塩折(やしおり)の酒」です。
シン・ゴジラの映画に出てくる「ヤシオリ作戦」は、「八塩折(やしおり)の酒」が登場するスサノオノミコトとヤマタノオロチの伝説から取られたネーミングだったのです。
シン・ゴジラが、ヤマタノオロチを彷彿させる容姿をしているのも、わかる気がしますね。
◎伝説の八塩折の酒を再現した「貴醸酒(きじょうしゅ)」という手法と
國暉(こっき)酒造 「八塩折仕込」
八塩折の「八」は、八百万の神というときにも使われる「数が多い」ことを表す古語です。
「塩折(しおり)」は、酒を醸造することを意味します。つまり、八塩折とは、何度も何度も醸造したお酒という意味になります。
お酒に、お酒を入れて仕込む。古い歴史書の記述であり、そんなお酒はないよね?と思いつつ、あるなら飲んでみたい!と思い調べてみました。
そうしたら……なんと、八塩折の酒、再現されていることがわかりました。
再現したのは、島根県松江市の蔵元 國暉酒造さん。
記紀(きぎ)には実際の作り方までは書かれていないのですが、20数年前に国税庁醸造試験場で技術開発された水の代わりに酒で仕込む「貴醸酒(きじょうしゅ)」という技術を応用し、再現したのだそうです。
八塩折の酒を再現した、その名も「八塩折仕込」
國暉酒造ホームページより
國暉酒造さんのホームページによると、仕込みを繰り返した回数は八回にわたり、熟したメロンを思わせる独特の香りと味わいとのこと。
手間暇かけたお酒でお酒を仕込むわけなので、お値段も通常のものよりは良い価格ですが、シン・ゴジラ効果でしょうか? 注文も殺到しているようです。
なくならないうちに、筆者もぜひ、味わってみたいと思っています。
國暉酒造株式会社
http://www.kokki.jp/
こちらのHPから、注文もできるそうです。
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