愛をもって許したカトリック修道女が遺した「面倒だから、しよう」
昨年の2016年末、ベストセラーとなった「置かれた場所で咲きなさい」の著者、愛をもって人をゆるすカトリック修道女渡辺和子さんが天に召されました。
今回は渡辺さんの「『置かれた場所で咲く』には? 私の答えを一冊にまとめてみました」という、「面倒だから、しよう」という著書です。
「面倒だからしたくないな」、「でも、これをした方が良いと思う」という主体的で前向きなこの著書を、小川あゆみがご紹介します。
ベストセラーとなった「置かれた場所で咲きなさい」を著した渡辺和子さん。
キリスト教カトリック修道女で、学校法人ノートルダム清心学園理事長でもあり、「置かれた場所で咲きなさい」他、たくさんの名著を遺し、2016年末に天に還られました。
その多くの素晴らしい著書の中から、今回は小川あゆみがこの1冊をご紹介します。
「面倒だから、しよう」渡辺和子(ノートルダム清心学園理事長)幻冬舎
この本の帯には「『置かれた場所で咲く』には? 私の答えを一冊にまとめてみました」と記されています。
いかなる状況の中でも、自分らしく花を咲かせるためにはどうしたらいいのでしょうか。
・面倒だから、しよう
本のタイトルである「面倒だから、しよう」という言葉は、学生たちと合言葉のようにして使っていたものだそうです。
「こうした方が良いのだろうけれど、面倒だからしない」とやすきに流されず、自分を律して「よりよい選択」を出来る人であって欲しいという思いが込められているそうです。
「面倒だからしたくないな」という弱い気持ちがあることを認めながら、「でも、これをした方が良いと思う」という選択を実行する。その選択が主体性を持って自由に生きることになっていく。
自由に生きるとは、自分を縛る外的なものからの解放ということだけではなく、今ある環境の中で「自分らしく、よりよく生きる」ための選択が出来ることだそうです。
「よりよい選択」を重ねるうちに、自分の花を咲かせることができるのかもしれません。
・生きるということ
生きていれば、思うようになる日もあれば、辛く苦しい時もあります。
自分には生きる価値があるのだろうかと、ふと疑問を抱く日もあるかもしれません。
そんなときにも、渡辺和子さんがそばらで静かに「生きていく」ことを諭してくれるように思います。
渡辺和子さんは「自分が生きているのが申し訳ない」というような気持ちを抱かれたこともあったそうです。
そんな方が「価値があるから生きているのではない、生きているから価値がある」とおっしゃっています。
どんな自分でも、生きていいとおもうと、とても安心して息が吸えるように思いました。
・「汝の敵を愛せよ」
渡辺和子さんは9歳の時に、当時大将で教育総監だったお父様が青年将校に襲撃され、目の前で惨殺されています。歴史的事件、2.26事件です。
この本の中には、シスターになられてからこの事件で「殺した」側の方と会われた時のことが書かれていました。
頭ではゆるしていても、体がついていかないという体験をされたそうです。
そんなときでも、せめて相手の不幸を願わずにいることが「汝の敵を愛する」に通じるそうです。
ゆるせない相手がいるとき、思い出したいものです。
・大人になったあなたを、静かに叱り励ましてくれる本
この本をはじめに手に取った時、素直に言葉を受け取ることができませんでした。
渡辺和子さんの言葉が少し厳しく響き、「でも」「だって」という思いが浮かびました。
何度も読むうちに、少しずつ素直に受け取ることができる部分が増えてきたように思います。
大人になると、叱ってくれる人はいなくなるものです。
「あなたは『置かれた場所で花を咲かせる』ことを選びますか? 選んだのなら、そのように生きていますか?」
この本を手に取ると、そんな風に問いかけられ、叱かり励ましてくれるように思います。
渡辺和子さんの言葉に触れて背筋を正し、力を与えてもらえる本です。
いかなる環境でも、自分らしい花を咲かせる指針となってくれるでしょう。
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