鬼子母神とはどのような神様でしょうか?スピリチュアル的に解説します

鬼子母神という神様をご存じですか?鬼子母神を知らない人は、その漢字から受ける印象として、鬼子母神って鬼?でも子供と母親の神様?というイメージを持たれるかもしれません。鬼子母神といえば、子授けや安産、子育ての神としてその名を知られる神様です。その像は天女のような姿をし、子供を1人抱き、右手には吉祥果を持っています。しかしながら、そんな優し気な神様になぜ鬼の字がついているのでしょうか?

この記事を読めば以下の事が分かります。
・鬼子母神とは
・江戸三大鬼子母神


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鬼子母神とは

鬼子母神(きしもじん/きしぼじん)は、元々はインドから伝わって来た神様です。インドではハーリティーと呼ばれ、この発音に漢字を当てて、訶梨帝母(カリテイモ)とも呼ばれています。鬼子母神は仏教、特に法華経を守護する善女神です(神道の神様ではありません)。鬼子母神について解説します。

 

鬼子母神の物語

ハーリティーは、王舎城(オウシャジョウ)の夜叉神の娘です。八大夜叉大将パーンチカに嫁して、500人(一説には千人または1万人)の子供を産みました。これらの子を育てるための栄養をつけるために、王舎城下の人間の子を捕えて食べていました。そのため、多くの人間からとても恐れられていました。

人間達は子供たちをさらわれることを恐れ苦しみ、お釈迦様に相談をしました。お釈迦様は一計を案じ、ハーリティーがもっとも可愛がっていた末子のピンガラを、鉢に隠しておしまいになられました。ハーリティーは半狂乱となって、世界中を7日間駆け抜けピンガラを探し回りましたが、発見するには至らず、お釈迦様に助けを求めました。

お釈迦様は「多くの子を持ちながら一人を失っただけでお前はそれだけ嘆き悲しんでいる。それなら、ただ一人の子を失う親の苦しみはいかほどであろうか」とハーリティーを諭しました。ハーリティーが改心し教えを請うと「戒を受け、人々をおびやかすのをやめなさい。そうすればすぐにピンガラに会えるだろう」とおっしゃり、それをハーリティーは承諾し、三宝に帰依しました。そしてお釈迦様は隠していた子をハーリティーの元に戻したということです。

 

鬼子母神のご利益

ハーリティーはお釈迦様の五戒を守り、施食によって飢えを満たすこと等を教え、仏法の守護神となり、鬼子母神と呼ばれるようになりました。

鬼子母神は、子供と安産の守り神です。病気平癒・安産・子育てに御利益があると言われています。また、盗難除けの守護ともされています。

 

鬼子母神の鬼の字

鬼子母神の「鬼」の字ですが、一画目の「ノ」の部分、つまり「ツノ」の部分を取った漢字が使われます。鬼子母神はお釈迦様に出会う前、まさに鬼のような行為をしてきました。しかしながら、お釈迦様の教えを受け、改心し鬼ではなくなったのです。そのため、鬼の象徴ともいえるツノを取った鬼という字が使われているのです。

 

鬼子母神とザクロ

よく見る鬼子母神の像は、天女のような姿をし、子供を1人抱き、右手には吉祥果を持っています。この吉祥果は、子孫繁栄を象徴する果物です。

俗説としては、この吉祥果というものがザクロだと言われています。鬼子母神がザクロを持っているのは、人間の子供をさらって食べていた鬼子母神に対して、お釈迦様が「ザクロは人の肉に似ている味がするから、人の肉が食べたくなったらザクロを食べて我慢しなさい」と言ったことが由来となっています。

ザクロは種が多い事から、吉祥果と同等に子孫繁栄の象徴となっています。


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東京のパワースポット!江戸三大鬼子母神

鬼子母神はお釈迦様に帰依した神様ですので、神道における神様ではありません。そのため、神社ではなく、お寺さんにお祀りされています。鬼子母神は法華経の守護神とされていますので、法華経を経典とする日蓮宗や法華宗のお寺さんでお祀りされている事が多いようです。ですので、参拝するときは手を叩かず、静かに手を合わせるようにしましょう。ここでは東京のパワースポットとして有名な、江戸三大鬼子母神についてお伝えします。

 

雑司が谷鬼子母神堂

東京都豊島区の威光山法明寺さんに「雑司が谷鬼子母神堂」があります。ここの絵馬にはザクロが描かれていることは有名です。境内には樹齢約700年の大イチョウがあり、これが御神木です。この御神木は「子授け銀杏」と呼ばれていて、昔から女性がこの御神木を抱いて子授け祈願をしていました。

また、参詣のおみやげとして名高いのが、「すすきみみずく」です。すすきみみずくにはいわれがあります。その昔、貧しい娘が鬼子母神に、母親の病気平癒の願をかけ、毎日お参りしていました。ある時、娘の夢の中で、すすきの穂でみみずくを作り、これを売って薬代にするようお告げがあったそうです。お告げの通りに娘はすすきの穂でみみずくを作り、おかげで母親は良くなったそうです。以来、すすきみみずくは鬼子母神の名物となっています。

 

入谷の鬼子母神

東京都台東区の仏立山真源寺さんは「恐れ入り谷の鬼子母神」として有名です。江戸時代に、大名の奥女中をしていた人がおできに悩んでおり、真源寺さんで願掛けをしたところ完治したことに由来します。この話は当時の江戸で話題になり「恐れ入りました」と地名の「入谷」と、さらには真源寺さんにお祀りされている鬼子母神をかけあわせて「恐れ入り谷の鬼子母神」として流行ったそうです。ちなみに「恐れ入り谷の鬼子母神」は、相手の言うことには同意するが、そのまま認めるのは癪に障るとの意味で用います。

 

法華経寺鬼子母神

正中山法華経寺は、千葉県市川市にありますが、江戸三大鬼子母神としてその名を連ねています。江戸時代から人気があり、江戸名所図会や十返舎一九にも紹介されています。また、幸田露伴の名作「五重塔」の中にも「中山の鬼子母神様の御利益で満足には育ちましたが・・・」という一節があります。

 

子授開運鬼子母神

安楽山本佛寺は、江戸時代には、中山法華経寺・雑司ヶ谷鬼子母神堂と並んで、江戸三大鬼子母神の一つといわれ多くの崇敬を集めました。現在は、東京都杉並区にあります。「子授開運鬼子母神」と称される本佛寺の鬼子母神像は「水中出現の子授、子育鬼子母神」ともいわれ、黒色の木彫で、高さ5cm、左手懐中に赤子を抱き、右手には吉祥果を持つ痕跡が見られます。


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まとめ

元々は鬼のような所業をしていた夜叉の娘が、それをお釈迦様にたしなめられて、法華経の中に出てくる神様になったのが鬼子母神でした。

以前、子育てに悩む友だち親子と一緒に、法華経寺鬼子母神をお参りに行ったことがあります。電車の駅から長い参道を結構歩いた記憶があります。お寺さんの敷地がとても広く、対応してくださったお坊さんたちがとても親身になって友だち親子の悩みに耳を傾けて、そして加持祈祷していただいたことを思い出しました。

鬼子母神をお祀りされているお寺さんは全国にありますので、機会があればお参りされてみると良いと思います。

 

 

占い師:うめざわみき

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WRITTEN BY うめざわ みき

うめざわ みき
花札占いのうめざわみきです。 占い鑑定歴は42年になります。 カードは私のよき相棒です。 花札...