生命線が2本または複数ある二重生命線とは 

テレビや雑誌で、生命線が二本あると生命力が2倍、体力が2倍あると言われ、オリンピックの時期になると、生命線が複数ある出場選手の手相を観て、生命力3倍、4倍あって、殺しても死なない人などと冗談を言っている鑑定師もいます。

はたして本当に、生命線が複数あるほど生命力が強く、頑丈で健康な身体なのでしょうか?

今回は「二重生命線」の意味や見方について詳しくお伝えしていきます。

  
photo by 花岡正人

一般的に二重生命線は、上図のように、生命線の内側(親指側)に生命線に沿うように現れる線(副生命線)がある相を指します。

この副生命線自体を二重生命線という事もありますが、正確には、本線の生命線と併せて、二重生命線と呼びます。

線の強さは生命線と同じくらいの太く濃い線を指す場合が多いですが、細かったり薄かったり短かったりしても、二重生命線と捉えて問題はありません。

ただし、濃く太く長く、乱れがないほど意味は強くなり、本数が多いほど更に意味を強めます。

生命線との距離も近いほど、且つ、生命線の湾曲に沿った平行度が高いほど意味が強くなります。

<二重生命線の意味>

二重生命線は、一般的に「生命力が高く、エネルギーが高く、体力も2倍以上ある頑丈な人」と言われています。

もちろん、その意味もありますが、本来は、「忍耐力の強さや粘り強さ、精神力の高さ」を表す線で、「バイタリティが高く、人の為に動ける行動力や献身的情熱がある人」を意味します。

そのため、常に動いていないと落ち着かず、自分のことを二の次にしてでも頑張れるメンタルの強さでもあるので、周りから見ると、頑丈で体力が2倍以上ある人という印象を与えます。

実際は、あくまで副生命線は、生命線の示す生命力や健康を補う補助的な線なので、生命線自体がしっかいりしていないと、体力が2倍以上とは言えず、その場合は、身体は強くないが粘り強い精神力という意味になります。

精神力が高いので、生命力やエネルギーは高く、健康体になりやすいことは確かですが、その分、常に動いていないと落ち着かない性分であり、慈悲愛や献身的愛情が強い自己犠牲もいとわない身体の酷使でエネルギーを過度に放出してしまうので、疲れやすく過労にもなりやすい体質となります。

掌紋医学でも、身体は強いが炎症が起きて、胃腸や肝臓に負担をかけやすい体質であることを意味しています。

■二重生命線の基本的な見え方と、間違えやすい線の意味 

二重生命線にもいくつかの見え方があり、一般的には生命線と、生命線の内側に長めに出る副生命線との組み合わせですが、その他の見間違いやすい二重生命線を紹介します。

<生命線の外側(小指側)に現れる副生命線>

内側に沿う副生命線が一般的ですが、稀に外側に現れる人もいます。

意味は、鑑定師により異なりますが、「内側より生命力やエネルギーの高さの意味が強くなる」というのが、一般的です。

私は、過剰になり過ぎて、炎症が強く現れてしまうので、逆に、内側よりエネルギーが弱くなると考えています。(心臓など血液循環器系への負担)

間違えやすいのが、運命線との区別です。

はっきりと、生命線に沿っていていれば、二重生命線と判別できますが、副生命線の上部が真っすぐ上に昇っていると、運命線と捉えることが多く、下の方が生命線に沿っていれば生命線の補助線としたり、親族との縁の強さを示したりと、鑑定師により異なります。

私は、それぞれの意味を考慮して、総合的に判断しますので、一見しただけの判断は難しいです。

<生命線の起点で重なった二重生命線(双条生命線)>

上図のように、生命線に寄り添う形でも、生命線の起点が重なる場合があります。

この場合も二重生命線の一種と捉えて良く、長い副生命線ほど意味が強まるので、この場合の見え方も長い副生命線になりやすくエネルギーの高さを倍増させます。

特に、生命線起点の下側の区域(第一火星丘)は、強い意志や闘争心、野心などを表し、生命力の高さや行動力の高さをさらに高める意味となります。

本来、長い副生命線ほど意味は強くなりますが、上図の(C)のように、短くても第一火星丘上に現れている副生命線は、粘り強さや闘争心が強いアクティブさが現れやすいです。(=「火星線」とも言います)

上図(A)、(B)のように、起点が重なる副生命線が、内側や、稀に外側に現れる人もいます。

先にお伝えしましたように、二重生命線の意味を強める意味と捉えて良いのですが、生命線と副生命線が同じような太さ、長さであった場合、その区別が難しくなります。

これは、鑑定師の技量や経験により、区別することになります。

多くは、内側を副生命線と判断しますが、外側が明らかに太くしっかりした線の場合は注意が必要です。

上図のように(A)を生命線と判断しても、副生命線と判断しても、大きく意味を変えることはないですが、(A)が、生命線に沿う頭脳線である場合があります

その場合は、真逆の意味になってしまって、「精神的な脆さや不安定さ」を意味して、精神疾患にかかりやすい「自殺線」などと言われることもあります。

難しいのは、この線の他に、頭脳線があったとしても、見え方として、二重頭脳線であることも多いことで、判別は鑑定師の技量によって異なってしまうのも事実です。


出典:無料素材画像 写真AC

<二重生命線と見間違えやすい線>

▼パートナー線(影響線、情愛線)

生命線の内側に生命線と沿うように出来る副線があると、二重生命線であることが多いですが、生命線の内側に接近して、細く薄く、よく見ないと分からないくらいに沿って現れる線を「パートナー線」とか「影響線」「情愛線」などと言われ、二重生命線とは区別しています。

パートナー線は、恋愛運などで、出会いの時期や、ご縁が出来る時期を観たり、深い愛情で寄り添う期間の長さを鑑定する時にも使われる線です。

パートナー線が現れると、パートナーや恋愛での出会いをもたらす意味となります。

比較的長めの線(2cm以上)で、細く生命線に接近した線としていますが、厳密に二重生命線と分ける必要は無く、二重生命線が精神力や生命力、体力が強いという意味からすれば、当然、本能的に異性にも興味を持ちやすく、性的欲求も高まるので、その愛情の高まりが現実化して現れる二重生命線の一種と考えていただければ問題ありません。

その長さはパートナーと寄り添っている期間(愛情が深まっている期間)とされていて、線の始まりが出会いや一気に愛が深る時と観ますが、線の終点が離婚や別れを意味するわけではなく、愛情が冷めるという場合や、仲は良いが、感情が高まるほどの思いではない落ち着いた関係になっていく時という見方になります。

その位置は、生命線の流年法により、出会いの時期や、強く寄り添う期間を観ることができます。

(二重生命線の場合、生命線の起点近くの副生命線は、若年期でのエネルギーの補助となり、末端近くの副生命線は、晩年のエネルギー補助を意味します。)

(別記事「生命線が短いと短命ですか? 寿命と流年法」参照)

そのため、パートナー線が長いほど、深く愛し合う期間が長いとも言える良線となります。

短いと、一時的に盛り上がる愛情となるため、後述する「浮気線」の意味になってしまいます。

左右の違いは、一般的な左右の観方の違いから、恋愛に関する線は精神面が出やすい左手を観ることが多いですが、両手での総合鑑定は必要です。

パートナー線に関して、一般的には、「左手のパートナー線は、相手からの「想われ線」、右手のパートナー線は、自分からの「想い線」」という鑑定法もあります。

▼浮気線(手相学上)/胃腸負担線(掌紋医学上)

二重生命線と間違えやすい線として取り上げられることも多い線で、その基準は、2cm未満の線であることが目安になりますが、厳密に長さで観るのではなく、現れ方や、他の線と併せて判断していくことが必要なので、浮気する線と考えないで、「二重生命線の一種」と繋げて考えた方が理解しやすいです。

浮気線の特徴は、パートナー線のように細く接近して沿う場合もありますが、離れてはっきり見える場合もあり、パートナー線との区別と言うよりは二重生命線との区別として、短い副生命線として捉えるのが妥当です。

性的欲求や恋愛への行動力が高いため、異性との関わりも持ちやすく、一人の異性では物足りない欲求となって、浮気しやすいという意味で「浮気線」と言われています。

二重生命線は、体力の強さも観るので、精力旺盛で異性への興味も高いと言えます。

その長さが持続性や流年法での気力溢れる時期と考えれば、短い二重生命線は、一時的な性的欲求や異性への興味と考えられ、浮気しやすい線として、その時期も観ることが出来ます。

この浮気線は、掌紋医学では胃腸への負担がかかっている状態を表します。

生命線起点近くは「胃」、中腹部は「腸」、その下は「腎臓」の位置と対応し、その区域内の短い副生命線(二重生命線)は、その区域に当たる臓器に負担をかけている見え方となります。

手相学では、二重生命線は、忍耐力や体力の強さを表し、掌紋医学でも長い副生命線は同様の意味があります。

しかし、過剰に体力を使い、それにも我慢できる体質でもあるので、臓器にも負担がかかります。

短い副生命線(手相学での浮気線)は、部分的に負荷がかかっていることを示すので、胃腸が弱い訳ではなく、暴飲暴食や偏食、不規則な食事などで過度なストレスをかけている警告になります。

(消化管の腸の機能失調、便秘、下痢を意味することもあります。浮気線上に※紋や♯紋がある場合は、腸の炎症と結腸炎症となる場合が多くあります。)

また、上図のように、生命線に沿うというよりは、直線的に斜めに入る太めの長い線があった場合は、手相学では、ストレスがかかりながらも、きめ細かい配慮が出来て苦労が実るサインでもありますが、掌紋医学では、ストレスなどで胃腸や肝臓などに炎症が現れていることを表し、健康線もはっきり出ていれば(逆ハの字相)、炎症が出血や動脈硬化を起こしていている警告となります。

▼複数の副生命線が、複数の横線と格子状になって現れている(グリル)

この見え方は、複数の副生命線がある二重生命線と捉えて良いのですが、横線はストレスの多い神経質な体質を表すので、複数の副生命線の体力の強さや意志の強さ、粘り強さと併わさり、好奇心旺盛で多情な感受性を示し、周りをよく見れて、きめ細かい気配りが出来る資質を意味します。

しかし、副生命線が生命線に沿う形ではなく、直線的な縦線が多い場合は、二重生命線の体力・忍耐力の強さの意味が無くなり、横線の多いストレス体質の意味が強くなるので、繊細な気配りが出来る意味にはなりますが、積極的な行動力や粘り強さは無くなり、精神的に弱く、過敏な体質となります。

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■生命力が強い二重生命線は、過信が禁物です

二重生命線がある人は、自分の頑丈な身体を過信して頑張り過ぎたり、暴飲暴食などで身体に過度な負担をかけてしまいやすいです。

元々、二重生命線の意味は、粘り強さや忍耐力の強さを表すので、身体の酷使も我慢が出来てしまい、知らぬ間に炎症が強くなり身体を一気に壊してしまう体質でもあります。

また、その体力の強さや、忍耐強さは、献身的に自分のこと以外の人に使うエネルギーになりやすい気質でもあるので、必要以上に動きすぎてしまいがちです。

つまり、二重生命線は、決して病気知らずの身体を意味している訳ではないので、他の人より生命力が高い身体を授かったことに感謝して健康管理を大切にしていただきたいです。

また、副生命線がしっかり出ていても、本線(生命線)が弱ければ、体力が2倍とか生命力が高いという意味ではなく、忍耐力や粘り強さの意味が強くなりますので、余計過信は禁物であり、その場合、体力も強くは無いので肉体的な無理はしない傾向となりますが、精神的なストレスを我慢してしまう体質になるので、ストレスを軽減させる発散方法や時間、空間を設けていただくことが大切になります。

手相セラピスト:花岡正人

WRITTEN BY 花岡正人

花岡正人
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