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ジオマンシーショートストーリー

ジオマンシーは、アラビア生まれのとても当たる占いです。ジオマンシーの16のシンボルにまつわる物語を、一話完結のショートストーリーとしてご紹介していきます。

ケース15「竜の頭」〜アスワラの場合〜


出典: Pixabay

よろしくお願いします! わたしは占い師の「明日笑おう」です。「あすわら」って呼んでください。今日は泣いても、明日は笑おうねっていう名前なんです。占いで世の中を元気にしたいんです。

今日はわたしの新しいプランについて聞いてもらおうと思って来ました。

占い歴はそれなりに長いですよ。デビューしてからン十年は経ってますから。占い館に勤めていたこともあったし、テレビに出たこともありますし、占いのイベントにも毎年出てました。

占いイベントが中止になってから、みんな、一斉にオンライン鑑定をはじめていますよね。わたし実はオンライン鑑定は結構古くからやってるんですよ。Skypeで。対面鑑定に来たお客さんのリピートで行うことが多いですね。メール鑑定もチャット鑑定もしてましたし。オンラインを否定するわけじゃないですよ。

でも、それだけじゃ厳しいと思うんです。

だから、考えたんですよ。

まだ誰もやっていないことをしなくちゃって。

今までの対面鑑定では、お客さんがやってくるのを、占い師は座って待っていたんです。そういうビジネスモデルはもう古いんですよ。

占い師側が出かけていかなくちゃ。だから。

訪問占いなんですよ!

依頼を受けて、お客さんの家に行くんです。家に行って、占いをする。できますよ。カードでもサイコロでも道具を持っていけばいいんだし。交通費? それはある程度含んだ金額で。


出典: Pixabay

依頼あるはずですよ。小さい子がいて、外に出られない人や、ひとりで外出するのが難しいご年配の方や介護をされている方、たくさんいますよ。電話鑑定もしますけど、「先生に会いたい」って言われますもの。

訪問占いだけをメインにするんじゃなくて、オンライン鑑定と併用していくんです。

単価と収益? そりゃ、最初から収益出すのは難しいでしょうけれど、まずはやってみないと。

そんなことやってる人いない? だからやるんです。やってる人がいないから!

失敗する? したら何だって言うんです? 失敗したら止めたらいいじゃないですか。やらなければ、失敗だってしませんよ。

訪問占い、絶対いいと思うんです。

そんなにいいなら、みんながやってるはずだって? だから、まだ誰もやっていないから、わたしがやるんです。誰かやるまで待っていたほうがいいって? あのね。そんな横並び意識だから、ダメなんですよ!

出るクイは叩かれる? どうぞ叩いてくださいって言いますよ。そんなの覚悟の上です。誰もやってないことをやるんだから。

ちなみに占いしてみましたよ。この企画がどうなるか。

わたしはジオマンシーっていうアラビアの占いをするんですけどね。

出たシンボルは、「竜の頭」。ものごとのはじまり、すべてのはじまりに吉。出るクイは打たれることも覚悟の上ですよ。なんでもそうでしょう? どんな分野でも最初にやる人は。

わたしはやりますよ。人より先に。結果なんてわかりませんよ。わからないから、やるんです。やってみないとわからないんですから。

はじめて何かをするときって、前例なんてないでしょう? 今普通にあるものが、最初からそうだったなんて思ってないですよね。

この企画、出資していただけますか?

こちらが、企画書です。疑問点や矛盾点があったら、なんでも指摘してください。

訪問占い。きっと、何年後かには普通になってますよ。

どんなことだって、最初にはじめた人がいるんです。

扉は叩かなきゃ、開きませんもの。


出典: Pixabay

 

ジオマンシーシンボル「竜の頭」のキーワード

始まり。入場。

 

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占い師・作家:高橋桐矢

WRITTEN BY 高橋桐矢

高橋桐矢
高橋桐矢(たかはしきりや)占い師兼作家。 雑誌「ムー」(学研プラス)に毎月の占い掲載。 著書『占...