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第1回ジオマンシーショートストーリー

 

ジオマンシーは、アラビア生まれのとても当たる占いです。ジオマンシーの16のシンボルにまつわる物語を、一話完結のショートストーリーとしてご紹介していきます。

 

ケース1「人々」〜ハルカの場合〜

 

わたし、子供の頃から、絵を描くのが好きだったんです。授業中とか、ひとりでノートに絵を描いてました。おとなしい方でしたね。勉強もあまり得意じゃなかったし。クラスでも目立たない方でした。


出典: Pixabay

あんまり人が多いところは好きじゃないんです。だから、このあいだ友達に占ってもらって、「人々」っていうシンボルが出たときは、自分にはあんまり関係ないんじゃないかなって思いました。ジオマンシーっていう、ちょっとめずらしい占いらしいんですけど。

「『人々』ってシンボルが出てるから、人がたくさんいるところに行くといいよ」って。人がたくさん、って言われても、職場は違うし、イベントやパーティに行く予定もないし。

そしたら、その占ってくれた友達が、今度占いのグッズのイベントがあるよって言うんです。「ハルカが作ってるカード、売れるんじゃない?」って。

わたし、占いは全然知らないんですけど、アロマが好きで、精油のイラストをカードに描いたことがあったんです。オリジナルイラストをパソコンでプリントして。

友達は「これでアロマ占いができるから、一緒に占いグッズのイベントに出てみようよ」って。

そんなこと、考えたこともありませんでした。イベント出店だなんて無理って思ったんですけど、でも、ジオマンシー占いの結果の「人々」っていう言葉がなんだか、引っ込み思案なわたしを、応援してくれてるように思えたんです。いつものわたしだったら、絶対遠慮しちゃうのに、「参加してみる」って言ってました。

それから大変でした。カードのデザインを一からやり直して印刷して、説明書も作って。大変だったけど、すごく楽しくて、当日までになんとか、アロマカードセットが10セットできました。わたしはカードを作る担当で、友達は占いをすることにしました。10セットも作ったから売れ残るだろうって思ってたんですけど。

占いイベント当日、ビックリしました!すごくたくさん人が来てて。友達と顔見合わせて言ってました。

「人々だね!」って。


出典: 写真AC

オープン直後から、たくさんの人が来て、わたしのカードも手に取って見てくれて。友達の占いも好評でした。アロマについての質問があると、友達が「こちらがカード作者のハルカです! アロマについてもくわしいし、このイラストもハルカが描いたんですよ」って言ってくれて。

わたしも一生懸命説明して。会場が暑かったのか、人が多かったのか、もう汗だくで。

終わったら、カードセットは完売してました。わたしがイラストを描いた手作りカードが、10セットも売れたんです。

かなりがんばりました。友達が言うには、「これはまだまだスタートだよ」って。

たしかにいろんな人にアロマカードを見てもらったけれど、使い方だってもっと深めたいし、買ってくれた人へのフォローもしたいし。

それから、イベント中に、ほかのブースもちょっとだけ見て回ることができたんです。他にもカードを作っている人がたくさんいて、それぞれにすごく素敵で、なんだか、世界が広がったような気がしました。

たくさん人がいれば、その中には、わたしのカードを気に入ってくれる人もいるってことが分かったんです。

またイベントに出たいって、思ってます。

 

ジオマンシーシンボル「人々」のキーワード


photo by 高橋桐矢

集まる、増える。多数派。集団。安定。

*画像は「ジオマンシーカード」「ハピタマ!」です。

 

占い師・作家:高橋桐矢

WRITTEN BY 高橋桐矢

高橋桐矢
高橋桐矢(たかはしきりや)占い師兼作家。 雑誌「ムー」(学研プラス)に毎月の占い掲載。 著書『占...