映画「この世界の片隅に」は、こうの史代さんの漫画を原作としたアニメーション映画で、クラウドファンディングで製作費を募り、女優・のんさんが声優を務めたことでも話題になりました。
また、第40回日本アカデミー賞「優秀アニメーション賞」をはじめ、数々の賞を総ナメにしている名作でもあります。
舞台は、第二次世界大戦中の広島県・呉。
この物語が伝えたいことはたくさんありますが、今回は戦争の中で育まれた夫婦の絆についてお伝えします。
◆◆あらすじ◆◆
広島市で育った主人公・すずは、知り合いがいない呉に嫁ぎます。
「ボーっとした性格」といわれるすずは、嫁ぎ先でもよく働き、時には得意な絵を描いたりして過ごします。
配給が少なくなり、空襲も多くなった8月、すずは運命の日を呉で迎えることに……。
・交際0日で、知らない土地に嫁ぐ主人公
昭和18年ごろは、結婚式で初めて結婚相手に会うというのも珍しくないことでした。
現代風にいえば、交際0日での結婚です。
現代の結婚観とはまったく違うように感じますが、今は結婚相談所で相手を見つける人も多い時代です。
出会って間もない男性とすずが夫婦になっていく過程は、婚活中の人にとって参考になる部分があるのではないかと思います。
そして、すずと対照的に描かれているのが、周作の姉・径子です。
径子は気が強くて、今でいうバリキャリのシングルマザー。恋愛結婚をするものの、事情があって実家に帰ってきます。
恋愛結婚とお見合い結婚をした2人の言動から、自分が結婚に求めるものが見えてくるかもしれません。
・好意を持っていた幼なじみ VS お見合いで結婚した夫
すずの幼なじみで、好意を持っていた哲が呉の家にやってきます。
戦地に赴く哲と会うのはこれが最後……。
ふたりきりで過ごす夜、すずは自分の思いに気づきます。
また、言いたいことを言い合う哲とすずを見て、周作はやきもちを焼きます。
すずを広島から連れてきたことに負い目を感じていた周作ですが、哲の登場をきっかけに2人の関係が変わっていきます。
恋愛心理学では、自分の考えを話す「自己開示」が、関係を深めるといわれています。
……ですが、嫌われたくなくて本心を言えないということもありますよね?
「なかなか本心を言えない」という人は、自己開示によって夫婦がどのように変わっていったのかに注目してみましょう。
・すずを支えた、ブレない周作の愛
広島に原爆が投下され、終戦を迎えた後も、すずたちの生活は続いていきます。
辛いこともたくさんある中で、すずを支えたのは周作の愛情でした。
きちんと言葉にして気持ちを伝えたり、「自分が選ばなかった道」に対する考え方など、周作の言動にはブレない生き方をするヒントが詰まっています。
恋愛や結婚に悩んでブレそうなときは、周作のセリフに注目して本作を見てみるのがおすすめです。
・最後に……この作品から受け取る現代女性へのメッセージ
「空襲が来たけれど、家が焼けなくてよかった」というように、「よかった」と考えることにすずが違和感をおぼえる場面があります。
たしかに不幸中の幸いだったけれど、本当に「よかった」のだろうか?
そんな風に、すずは自問自答します。
この作品は戦争のむごさ、同じことを繰り返してはならないことを描きながら、どんなときも自分の本心と向き合うことの大切さを伝えています。
すずが生きた時代と比べて「よかった」と考えるのではなく、今の自分の気持ちとしっかりと見つめて、ブレない生き方をしようと思える作品です。
映画「この世界の片隅に」は全国公開中。
公式サイト
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