史上最アツ!? 今、手話ライブが熱い!

最近、AKB48やSMAPなどの有名アーティストのライブパフォーマンスに手話が多く使われていますが、「健聴者(耳が正常に聞こえる)アーティストから聴覚障がい者の観客」の方に向けたパフォーマンスはテレビでも時々見かけますよね。

しかし、この「D’LIVE」は、「聴覚障がい者アーティスト」が、「健聴者や聴覚障がい者の観客」に向けた、音楽に合わせて行う手話パフォーマンスなのです。

でも、どうやって耳が聞こえないアーティストが、音楽に合わせて手話パフォーマンスをするのか、疑問に感じませんか?

今や、手話アーティストの憧れのステージとなっている、手話エンターテイメント・チャリティーライヴ「D’LIVE」も回を重ねて、なんと今年13回目!

社団法人日本イベント産業振興協会が主催する「第6回イベント大賞」を受賞するほどのこの史上最アツ、手話ライブイベント「D’LIVE」をウラスピナビの皆様に紹介するべく、当イベントを主宰、運営しているコヤマドライビングスクール経営企画室室長の田口治さんに、編集部Hがお話しを伺いました。

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聴覚障がい者アーティストによる、手話エンターテイメントライブ「D’LIVE」とは?

編集部H まず、手話エンターテイメントライブ「D’LIVE」とは何かをお聞かせ下さい。
田口「D’LIVE」の名前の由来は、DANCE(ダンス)のD、DEAF(ろう者)のD、DRIVE(ドライブ)のD+LIVE(ライブ)で「D’LIVE」(ドライブ)です。

そして、このイベントは聴覚障がい者のチャリティーコンサートであっても、福祉イベントではありません。福祉イベントだと「障害を持つ人に向けた善意イベント」という感じになってしまいます。

この「D’LIVE」では、そのような福祉イベントではなく、聴覚障がいを持っていても、健聴者アーティストとなんら変わることなく、本物のアーティストとしてステージに立ってパフォーマンスする、エンターテイメントに特化したイベントなのです。

元々は、「D’LIVE」にも出演されている、聴覚障がい者の手話パフォーマーである高木里華さんをNHKの番組で知ったのがきっかけです。高木さんは重度の聴覚障がいであってもダンスや音楽が好きで、アメリカでダンスの勉強をしてきたそうで、高木さんがお台場で開催した手話パフォーマーイベント観て、そのクオリティーの高さに「これだ!」と思い、「D’LIVE」を始めました。

「D’LIVE」は、多数の手話アーティストを年に1回集め、若い人達に、手話に興味を持ってもらいたいという想いを込めて開催しています。そして、出演している聴覚障がい者アーティストに対しては、「障害を持っているから可哀想だ」、「障害を持っているから頑張っている」という目ではなく、純粋に彼らのパフォーマンスのクオリティーの素晴らしさを知って欲しいと思っています。特に、ボランティア的な方でだけなく、特に手話をよく知らない若い一般の人に観てもらいたいという気持ちがあります。

編集部H 私も昨年の「D’LIVE」を拝見していますが、凄くレベルが高いですよね。
田口 ありがとうございます。第1回手話パフォーマンスイベント「D’LIVE」を開催したところ、方々で凄い反響があり、日本の素晴らしいイベントに贈られる、第6回日本イベント大賞(くわしくはコチラ)も受賞することができました。それだけ内容もクオリティーも高いイベントだと認めて貰えたのです。

耳が聞こえないのに、どうやって音楽に合わせて手話パフォーマンスをするの?

編集部H 聴覚障がい者アーティストが音楽パフォーマンスをやるのは、とても難しいと思いますが…… 
田口 完全に聴覚を失った方に音楽パフォーマンスは難しいと思いますが、聴覚障がいにも度合いがあります。低い音域の音なら聴こえても、高い音域の音は聴き取れない人や、音として聴こえなくとも、ドラムやパーカッションなどの打楽器の振動を、身体で感じられる人もいます。

そんな聴覚障がいの方が、音楽を1曲覚えるのは本当に大変です。1つの曲を覚えるために、私たち健聴者の10倍は時間がかかるそうです。そうして覚えた曲を手話に置き換え、「手話歌」として表現していくのです。

編集部H では、実際にはどのように音楽と手話を合わせていくのですか?
田口 全員ではありませんが、手話アーティストに欠かせないのが、手話パフォーマンスをサポートするカウントマンです。手話歌や手話ダンスは、カウントマンと呼ばれる健聴者のサインに合わせてパフォーマンスを行ないますが、カウントマンは曲のタイミングとステージの上のパフォーマーの様子を見てサインを出す。アーティストとカウントマンの息が合っていなければ、手話歌やダンスはできません。

手話パフォーマンス「D’LIVE」の最大の魅力とは?

編集部H では、「D’LIVE」の最大の魅力を教えて下さい。
田口 最大の見所は、手話の表現力です。

出演するダンスチームの中にも健聴者はいますが、あくまで中心は聴覚障がいのアーティスト。ダンスの振り付けの中にも手話が入れるくらい、手話の表現力にこだわっています。

表現は手話ですが、歌詞をそのまま手話で伝えても、曲全体のイメージが伝わりにくいのです。歌詞の持つ意味を手話で表現し、健聴者でも聴覚障がいの観客にも伝わるように、アーティストが個々に解釈をして、それを手話と顔の表情で「見える人たち」に伝えていきます。各アーティストが伝えようとする熱い思いやメッセージを、全身で感じることができるのが、「D’LIVE」の最大の魅力です。

編集部H 「D’LIVE」を観て出演したい聴覚障がいの方も多いのではありませんか?
田口 確かに、「D’LIVE」を観て、自分も出演したいという聴覚障がい者の方も毎年多くいらっしゃいます。オーディションも、ビデオや活動内容など、アーティストとしてのレベルを厳しく審査してから出演者を決めています。今や、聴覚障がい者アーティストにとって、「D’LIVE」に出演することは、憧れでもあり、ステイタスでもあるので、そこは絶対、手を抜けません。

編集部H まさにプロ並みですね。
田口 そうです。アーティスト自身もステージの映像やライティング、演出を細かく決め、綿密に打ち合せを行い、本番に臨んでいます。

編集部H ライブを公演するためには、聴覚障がいアーティストだけではなく、手話ができる健聴者スタッフも当然必要ですよね?
田口 はい。場内案内、バックステージ、ドリンクカウンタ-など、当日スタッフとして手話通訳のスタッフが70名いますが、ほとんどが学生の手話サークルです。手話サークルに入っていても、なかなか手話を使う場面がない学生も多いし、手話サークル同士で親睦を深められるよう、「D’LIVE」でその場を提供したいとも思っています。

なぜ、自動車教習所が手話ライブ「D’LIVE」を開催?

編集部H なぜ、自動車教習所のコヤマドライビングスクールがこの「D’LIVE」を企画されたのですか?
田口 2000年に道路交通法が改正され、障がい者の運転免許取得にチャレンジできるハードルが下がりました。それに当たり、コヤマドライビングスクールでは、2002年に身体障がい者向けの教習を開始しました。そして同年、聴覚障がい者でも自動車免許を取得出来る、ジョイフルコースを2002年から始めたのです。

ジョイフルコースを作る際に、聴覚障がい者向けの運転免許学科テキストを作ることになりました。たくさんの聴覚障がいの方にご協力頂き、無事に素晴らしい聴覚障がい者向けのテキストができあがり、このお礼になにかをやろう! ということで考え出されたのが、この聴覚障がいパフォーマーによる手話ライブ「D’LIVE」です。

編集部H なるほど。手話ライブ「D’LIVE」が始まったのは、そういうきっかけだったのですね。
田口 「D’LIVE」はチャリティーも念頭に置いて開催しています。13回目を迎えた今年のチャリティー金は、来年の2017年、トルコ、アンカラで行われる第23回夏期デフリンピック(聴覚障がい者のスポーツイベント)7/18~7/30の日本選手団の派遣資金として寄付します。デフリンピックはパラリンピックよりも歴史が古く、日本でもメダルをたくさん獲って活躍している選手も多いので、これを機会に注目して頂きたいです。

「D’LIVE 」を初めて見る方へ 「D’LIVE vol.13」の楽しみ方は?

編集部H 手話パフォーマンスを初めて知ったウラスピナビの読者にも、12月3日に行われる「D’LIVE vol.13」の楽しみ方を教えて下さい。
田口 なんと言っても本物の手話の魅力、素敵さを見て貰いたいですね。最近はAKB48やSMAPなどの有名アーティストも、思いを伝えるためにパフォーマンスとして手話を取り入れていますが、「D’LIVE」は聴覚障がい者エンターテイナ―の本物の手話パフォーマンスです。その手話の素敵さをぜひ、「D’LIVE vol.13」で観て、本当の手話ライブを体感して下さい。本物ですから!

コヤマドライビングスクール チャリティーコンサート 「D’LIVE vol.13」


日時:2016年12月3日(土) OPEN16:00 スタート17:00
会場:CLUB CITTA’
座席:全席指定席
料金:S席 ¥3,000 A席 ¥2,500 ※1drink付き
お問い合わせ: D’LIVE事務局
TEL 03-5459-8815 FAX 03-5459-8812
e-mail dlive13@koyama.co.jp

10月16日(日)10:00発売
ローソンチケットからのご購入はコチラ
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※車イスをご利用の方は、D’LIVE事務局までお問い合わせください。

主催:株式会社コヤマドライビングスクール

WRITTEN BY ウラスピナビ 編集部

ウラスピナビ 編集部
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