返報性の原理とは何か? ビジネスではどう応用されているのか
相手から何かをしてもらったら、何かお返しをしなければならないという心理が働きますが、この心理を返報性の法則と呼びます。
借りがあると感じた場合、好き嫌いに関わらず、借りを返さなければという義務感が働くのが、返報性の原理が持つ特徴です。
心理学ライター響孝二がお話ししましょう。
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自分から恩を売り大きな見返りを得る
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礼儀とも取れますが、返報性の法則は他人から恩を受けたときにはお返しをしたいという心理が強く働きます。
●優しく接してくれた上司のためなら、何としてでも良い成績を残したい
●車を買い換えるときはお世話になっている営業マンから購入する
●自分に親しくしてくれるコンビニ店員には分け隔てなく接してしまう
●スーパーで試食をした際に何も購入しないのは悪いので、商品を購入してしまう
このような経験は誰にでもあることですが、返報性の法則がもたらす代表的な例です。
返報性の法則は、人の好き嫌いに関係なく効果を発揮します。嫌いだと思っている人に助けてもらった場合でも、すっきりせずに、何か借りを返そうと思ってしまう心理が働きます。
相手に関係なく、こちらから恩を売るのが大きなポイントといえるでしょう。
つまり、自分から先に恩を売ることで、大きな見返りを期待することが可能となります。
好印象を与え信頼性を高めることが重要
返報性の法則は、気持ちを先に与えることで効果を発揮します。ビジネス面で活用するには、自分が持っている情報を提供し、相手が困窮していることに対しては、可能な限り、アドバイスをしてあげることが重要です。相手が疲れているときには、飲み物を差し入れしてあげるのも良いでしょう。
こうして、普段から与え続けることを意識すると、相手にとって自分はいつもよくしてくれる人というポジションになり、好印象を与えます。このような状態に発展してしまうと、信頼性が高まった影響もあって、自分の提案を受け入れてもらいやすくなります。
返報性の法則のもうひとつの大きなポイントは、「相手によくしてもらった」「相手に助けてもらった」と感じさせることです。自分が良いことをしたつもりでも、相手がその気持ちでなければ、何の効果もありません。
見返りを期待しているのかと感じられては逆効果となってしまいますので、注意が必要です。相手が自然によくしてもらったと感じる状態に持っていかなければなりません。
受けた恩を返したいという心理作用
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職場で決まって部下に声をかける上司がいますが、相手は「いつも気にかけてくれる」と感じ、何とかその気持ちに報いたいと仕事に邁進するようになります。褒め上手な上司も、返報性の法則を活用しているといえるでしょう。
部下に「よい評価を与える」『先に褒める』ことで、部下はその気持ちに報いることで、そのお返しをしようと仕事に邁進するようになります。返報性の法則を応用できる上司は、部下から信頼されるようになります。
返報性の原理は、受けた恩を返したいという人間の本能的な心理作用です。与えた好意が特別なものであればあるほど、受けた相手側は感謝の度合いが大きくなります。その心理作用が後に自分へ大きな効果をもたらすことになるのは、間違いありません。
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心理学ライター:響孝二