少数派を多数派に導くことが可能なバンドワゴン効果
誰もが自分だけの意見を持っていても、周囲の意見が多数派であれば、どうしても同調してしまうことになります。
そのような心理をバンドワゴン効果と呼びます。
今回は心理学ライター響工事と共に、バンドワゴン効果が持つ心理を紐解いてみましょう。
バンドワゴン効果とは何か
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世の中の多くの人は流行に左右されます。ファッションがその典型です。有名人のファッションを取り入れ、自分に似合うかどうかは考えずに、誰よりも早く、流行の服装を取り入れようとします。
このように、流行の対象物や多くの方に受け入れられている対象物に注目してしまう集団心理をバンドワゴン効果と呼びます。
バンドワゴン効果はいくつかに分類されます。
●時流に乗る
人気の商品や流行の商品が欲しくなる心理
●勝ち馬に乗る
選挙の投票などで有利な候補者に投票したくなる心理
●多勢に与する
多数派に集まりたくなる心理
これらのバンドワゴン効果が働きやすい状況では、自分の意思は関係なくなってしまいます。そして、他人に同調しやすくなり、商品が欲しくなってしまいます。バンドワゴン効果は誰もが持つ不安をよい意味で利用する心理効果といえるでしょう。
広告で使用されるバンドワゴン効果
バンドワゴン効果はテレビCMや雑誌広告でも活用されています。
●多くの方に支持されています
●多くの方に愛用されています
●売上第1位を獲得
などの言葉は、バンドワゴン効果を活用されているために使用されているといっても、おかしくはないでしょう。こうした言葉を商品紹介に使用することで、多くの方がそれなら、安心して購入できると考えてしまいます。その結果、多くの方が購入してしまうという現象が起こってしまうといえます。
長期に渡って支持されているロングセラー商品も、バンドワゴン効果が関係しているといえるでしょう。多くの人が購入しているという商品の場合、販売元の意図が働かなくても、口コミが起こります。長く売れているのであれば、安心して購入できる商品という集団心理が働き、勝手に商品が売れていくようになります。
交渉事にも活用できる
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バンドワゴン効果は交渉に効果的です。自分が望むように相手を誘導することが可能となります。例えば、忘年会の参加を断ろうとしている後輩社員に対し、「忘年会に出ないの? 他の営業課の人は参加すると言っているけど」と声をかけてみましょう。
その声をかけられた後輩社員は自分だけ、参加しないことが不安になってきます。そして、自分の意思を無視し、参加すると答える可能性が高くなってきます。バンドワゴン効果は相手に対し、あなたは少数派であると伝えることが大切です。
そう伝えられた相手は多数派に属していないという事実に不安を感じてくるようになります。それにより、自分の意思に反して、多数派に簡単に誘導することが可能となります。
営業においても、活用可能です。商品を購入してくれそうな顧客に対し、「この商品は必ず、流行するから購入しなきゃ損だ」「この商品は多くの人に使用されているから安心ですよ」といった言葉を添えるだけで、その商品の売上を向上させることができるでしょう。
バンドワゴン効果は少数派を多数派に誘導することができる集団心理です。自分の意見に反する人がいても、活用すると、自分の意見に賛同させることが可能です。
心理学ライター:響孝二