社会人として生活を送っていると、「上司の期待に応えたい!」「認められるように頑張りたい!」というように、周囲の目や評価ばかり気にする人もいるかと思います。
人に褒めてもらう事を願い、そのために頑張るという行為は、自分自身の課題を見失ってしまう原因になりかねません。
このような承認欲求との上手な付き合い方について紹介していきます。

・誰もが持っている承認欲求


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言葉や態度で示さなくとも、ほとんどの人が他人から認められたいという承認欲求を持っています。
評価されるために頑張る欲求とも取れるため、決して悪いものではないように感じられますが、アドラーの心理学においては、承認欲求に基づく行動は否定されています。

なぜなら、この考えは人に褒めてもらったり評価してもらったりし、相応の報酬を頂くために行動する考えに近いからです。
言い換えるならば、誰も褒めてくれなければ良い行動は取らず、もっと言えば誰にも罰せられないのであれば不適切な行動すら取るかもしれないからでしょう。
このようなマイナス面も、承認欲求には隠されていると考えられます。





・承認欲求は自分の課題を見失う


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他人の期待を満たして評価をあげるためだけに、人は働いていたり生活していたりする訳ではありません。
周囲からの承認を強く優先して行動すると、最終的には自分がするべき事、課題を見失う原因にもなるのです。
本当はやりたい事があるけれど、誰々のために我慢しなければ、と思うようになれば、その人生は自由とは言えませんし、その人にとって幸せかどうかも怪しいでしょう。

もちろん承認される事自体は悪いものではなく、むしろ良いことと言って良いでしょう。
しかし大切なのはいかに、承認欲求を抑えるか、承認欲求を持ちつつも自分の思う人生を進んでいくかです。
ずっと誰かの期待のために働いているのでは、永遠に自分の希望の道に進む事は出来ません。
また、誰かの期待に応える事を重視していると、本人がストレスを溜める原因になりますし、本当にするべき事を見失いかねないでしょう。

さらにアドラーの心理学では「嫌われる勇気を持つ」という言葉が有名ですが、これは承認欲求と上手に付き合うには、関連性があると考えられます。
良く見られようとばかり考える承認欲求ではなく、時には嫌われる勇気を持ち、自分がしたい事に挑戦していく事も大切です。
嫌われたくないという気持ちもまた、承認欲求を強くする事に繋がっているはずです。





心理学ライター:響孝二

WRITTEN BY 響孝二

響孝二
新聞記者、心理学ライター 1977年生まれ 北海道出身 公立高校を皆勤賞で卒業後、国立室蘭工業...