寒い季節もトマトが好き
トマトは日本では夏野菜。原産地は南米のやや涼しい高地なので、本当は日本の真夏とは気候的にやや違うのですが、それでも日本ではやはり真夏の野菜。陰陽理論をふまえた料理法でも、身体を冷やすとして夏にオススメしています。
でもわたしたち日本人は、トマトが好きですよね。パスタが日々の食事に定着してどれくらいになるのでしょう、30年と少しくらいでしょうか? おかけで私たちは一年中、トマトが好きになりました。その健康効果も解明されてきているので、なおさらですね。
中でもトマトのファイトケミカルのリコピンは、加熱しても缶詰や瓶詰に加工しても抗酸化力を発揮するそうなので、季節はずれの真冬もトマト、というのはアリかもしれません。
寒い晩、帰宅してこんな赤いスープが待っていたら、気分も上がります。できたら土鍋か厚手の鍋で、熱々に。
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遊び疲れがたまった人にも、頼もしい
年明け早々、年度末に向けて忙しい人もいるでしょう、一方、冬のアウトドアや海外旅行で遊びすぎたり、時差で肌が荒れがちな人も。いずれの人にもハトムギは強い味方です。デトックス効果や吹き出物を改善する作用が期待できるので、ハトムギ入りのこのスープをたくさん作りおきして、朝晩食べてもよいですね。
陰陽を味方につける
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普通に具を炒め、水を加えて煮ても十分おいしいスープになりますが、ここでは「陰陽論」というものを用いた、伝統的な重ね煮の手法に習って、よりヒーリング効果を狙います。
陰陽論とは、森羅万象を陰と陽という対象的な2つの性質で分類した考え方です。月が陰、太陽が陽。というのは聞いたことがある人も多いと思います。どちらかが良いとか、悪いというのではなく、相互のバランスが取れていることが大切で、両者がもし統合されるときには新しいものが生まれます。
そして陰性には、広がる、冷ます性質があり、陽性は縮こまる、温める性質があると考えられ、食材もそのように分類して、陰性から順に重ねて煮てゆくのが重ね煮です。
ですから、鍋底には一番陰性のもの、ここではしめじを並べ、次に陰性のものである昆布を重ね……と順々に乗せて、一番上は一番陽性のもの、この場合はハトムギを乗せます。
普通は火が通りにくいものから順に煮始めるので、少し変わっていますね。こうすると鍋の中でエネルギーの対流が起きるようなのです。
その結果、まろやかな旨味ができて、寒さに縮こまりがちな心身をほぐすようなスープになります。ぜひ作ってみてくださいね。
ハートも温まる
赤いトマトの重ね煮風ハトムギスープ
photo by タド・ジュンコ
材料 (2人分)
しめじ 100g
昆布 5㎝長さ
ショウガ 少々(細かいみじん切り)
トマトの缶詰 150g
キャベツ 三枚(一口大に切る)
タマネギ 1/2個 (回し切り)
にんじん 1/2本 (輪切り)
炊いたハトムギ 大さじ2
水 200ml
塩 少々
白味噌 小さじ1
作り方
① 厚手の鍋に誘い水を少々 (分量外)、しめじ、昆布、ショウガ、トマト、キャベツ、タマネギ、にんじんの順に重ねて乗せ、炊いたハトムギを汁ごと乗せる。
② 鍋の蓋をして弱火にかけ、野菜の水分で煮る。
③ タマネギに火が通ったら、水、塩、白味噌を加えて混ぜ軽く炊いて仕上げる。
ハトムギを炊く
水 150ml
ハト麦 大さじ2
塩 ひとつまみ
鍋に水、ハト麦・塩を入れ焦がさぬよう弱火で30分炊く。
ワンネスフード:タド・ジュンコ