初めての就職直前、「上手く上司と向き合っていけるだろうか?」と、上下関係に不安を覚える人は少なくないはずです。
上司や先輩との付き合い方を知らないと、入社してすぐに心が折れたり、辞めたいという気持ちになったりしてしまいます。
そこで、上司や先輩との付き合い方、心得のようなものを、心理学の観点から説明していきます。





・上下ではなく、横の関係として認識する


出典:無料素材画像 写真AC

職場での人間関係において、やはり上司や先輩との付き合いが、目上の人ということもあり難しく感じるでしょう。
ハーバード大学のロバート・キーガン博士、オットー・ラスキー博士は「発達心理学」の中で上司と感情的にぶつからないためには、ある程度、上司に心理的に期待し過ぎない「見切り」を部下も持つことが感情の対立につながらない、と解説しています。

心理学の観点から、縦の人間関係は精神的な健康を損なう原因となるから、横の関係を築くのが良いと言われます。
上司と部下の立場では、役割や責任が異なりますし、知識量や経験も違うものです。
こういった違いを必要以上に人間関係に持ち込まないのがとても大切です。

上司の感情的な発言にまともに付き合っていると、それこそ上司との距離が引き離れていく結果を招くため、上司や先輩との適切な付き合い方を心得ておくことが求められます。

・目上の人とどのように付き合っていけば良い?


出典:無料素材画像 写真AC

感情を爆発させて物を言う人は、その行為によって相手よりも優位な立場になりたいと思うところがあるのです。
いわば権威付けのようなもので、怒りはその意識を表していると言えます。

もし、会社で上司や先輩に怒られてしまった時は、感情面はひとまず触れず、その問題の内容にのみ着目してみましょう。
指摘されている内容が正当なものであれば、従い、受け入れる必要があります。
しかし不当であったり、理にかなっていなかったりするものであれば、全てを受け入れる必要はありません。
そうすることで、叱られたというマイナスの感情を薄めて、上手な付き合い方を実現していけるはずです。

また、とにかく感情を爆発させて話してくる人に対しては、関係性の改善をこちらから求めるのも、心理学的に一つの手段と言えます。
こちら側が感情を抑え冷静に接するように心がけていれば、目上の人もこちらに対していばる必要はないと理解してくれる可能性があるのです。

どれだけ前向きな意識を持っていたとしても、自分とは合わない上司というのは必ずいるものです。
しかし基本的には悪い上司はいないというように意識しておくと良いでしょう。
単に、部下とのコミュニケーションを不得意としているだけなので、雨天には傘を差すのと同様に、上手く冷静に上司の怒りを流してあげるような気持ちを持ちましょう。





心理学ライター:響孝二

WRITTEN BY 響孝二

響孝二
新聞記者、心理学ライター 1977年生まれ 北海道出身 公立高校を皆勤賞で卒業後、国立室蘭工業...