マインドフルネスと瞑想の違いとは? マインドフルネス瞑想法を解説!

マインドフルネスでは瞑想を行います。
ですが、瞑想することをマインドフルネスと呼ぶわけではありません。
余計に疑問が深まったかもしれませんが・・・・・・

この記事では、マインドフルネスと瞑想の違いについてお伝えします。
・瞑想とは何か?
・マインドフルネスとは何か?
・マインドフルネスと瞑想の違い
・マインドフルネス瞑想の実践

この記事を読めば、マインドフルネスと瞑想の違いがわかり、マインドフルネスへの理解が深まります。ぜひ読んで、実践してください。


出典: Pixabay

マインドフルネスと瞑想は違うもの?

マインドフルネスと瞑想の違いを説明するには、まずは瞑想とは何かを知る必要があります。瞑想には多くの種類があります。宗教と深く結びついていて、瞑想を行う目的もさまざまです。ここではマインドフルネスに関係がある瞑想についてお伝えします。

 

瞑想とは何か?

瞑想は、心を静めて「無」の状態になる、リラックスする、神に祈る、何かに心を集中させるなどの目的で行われるものです。それぞれの宗教や修行の段階、瞑想の目的などにより、内容が違ってきます。

瞑想は紀元前のインドですでに行われており、ヒンドゥー教、仏教などで悟りを開く方法として行われてきました。瞑想の種類は200~300ほどあるといわれており、ヨガや座禅といった実践法もあります。

 

現代人が瞑想をする理由

近年では、瞑想は脳を休める効果的な方法としても注目されています。現代人は、1日に40,000~60,000もの事柄を考えているといわれています。そのため、自分では何も考えていないつもりでも脳のエネルギーを消費しています。脳の同じ領域を使い続けているので疲れてしまうのです。
ところが、瞑想をすることで違う領域が働きます。また、瞑想で何かに集中することで雑念が浮かびにくくなります。その結果、脳を休めることができ、リフレッシュできたり、集中力が高まったりします。

 

知っておきたい2種類の瞑想

サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の2種類は、知っておきたい瞑想です。

サマタ瞑想では、一点に意識を集中させます。集中する対象は多くありますが、たとえば、ロウソクの炎、紙、壁などをじっと見る、音楽を聴く、お経やマントラを唱える、呼吸だけに集中するといった方法があります。サマタ瞑想は「集中の瞑想」といわれ、瞑想中はほかのことを考えないようにします。雑念が浮かんできたらそれを手放し、また集中の対象に戻ります。

ヴィパッサナー瞑想は、「気づきの瞑想」と呼ばれています。体の感覚や思考、感情などの移り変わりを観察します。呼吸や体の感覚に意識を向けるのはサマタ瞑想と同じですが、雑念が浮かんできたときに、「あ、今、◯◯について考えているな」と気づいてから、呼吸などに意識を戻すのが違う点です。

 

 

マインドフルネスとは何か?

それでは次に、マインドフルネスとは何かについてお話しします。マインドフルネスで瞑想を行う理由や役割についてもお伝えします!

 

マインドフルネスとは?

日本マインドフルネス学会によると、マインドフルネスとは、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価せずに、とらわれない状態でただ観ること」をいいます。
端的に表すと、「今、この瞬間に集中している状態」がマインドフルネスです。mindfulは、「意識を向けている」で、nessは「状態」という意味です。まだ起こっていない未来を心配したり、過去に起こった出来事を思い出して反省や後悔をしたりするのではなく、「今」に意識を集中させている、そんな状態です。

 

マインドフルネスと瞑想の関係とは?

マインドフルネス(な状態)を作るために瞑想を行います。「マインドフルネス=瞑想」というイメージを持っている人もいると思いますが、マインドフルネスに過ごすための手段として瞑想を用います。
仏教でいうところの「念」を英訳したのが「マインドフルネス」です。「マインドフルネスストレス低減法」の創始者であるジョン・カバット・ジンが、これまでの心理療法に座禅の要素を組み込んで作ったのが「マインドフルネス瞑想」です。

マインドフルネス瞑想にはさまざまな種類があります。呼吸に集中する瞑想、体の感覚に集中するボディスキャン瞑想、音の瞑想、食べる瞑想(マインドフルイーティング)、ムーブメント瞑想など、そのときどきの気分や場所などに合わせて瞑想を選ぶことができます。

 

マインドフルネス瞑想とは?

マインドフルネス瞑想は、ヴィパッサナー瞑想の流れを汲んでいます。ただ何かに集中するのではなく、雑念や変化に「気づく」ことが重要なポイントです。瞑想中に雑念が浮かんだときは、そのことに気づいてから意識を呼吸(など)に戻します。そのときに、良い・悪いで判断したり、自分を評価したりしないことが大切です。「雑念が浮かぶなんてダメだ」と自分を否定するのではなく、「今、こんなことが浮かんできた」と気づくだけでいいのです。このように自分の状態を観察し、認識することで、物事を客観的にとらえられるようになります。

 

 

マインドフルネスと瞑想の違いとは?

マインドフルネスでは瞑想を行いますが、瞑想とマインドフルネスはそもそも違うものなのでしょうか? ここでは、マインドフルネス瞑想ならではの特徴を解説します。

 

インドフルネスと瞑想の最大の違い

瞑想は宗教と深く結びついていて、宗派によって瞑想の方法や目的が違います。
それに対して、マインドフルネス瞑想は、思想や信仰、修行といった要素を一切排除しているのが特徴です。どんな人でも気軽にトライできる、「脳のエクササイズ」なのです。

それから、大きな特徴がもう1つあります。何かに意識を向け、変化を観察するのがマインドフルネス瞑想です。なので、日常生活でとっている行動や動作が瞑想になります。たとえば、歯磨き、料理、入浴、ウォーキング、洗顔などの動作を集中して行うことが、マインドフルネスにつながります。環境を整え、時間をとって瞑想をしなくても、いつでもどこでもできるのが良いところです。

 

マインドフルネスと瞑想の効果

マインドフルネスの実践と瞑想には、効果の違いはありません。
マインドフルネスの効果には、以下のようなものがあります。
 

出典: Pixabay
 

ストレスの軽減

マインドフルネスを取り入れると、ストレスを軽くすることができます。
たとえば、明日の仕事で不安な点があり、そのことについて考えているうちに、さらに心配になってしまう・・・・・・という経験はありませんか?
職場の人や友達にきつい言い方をしてしまい、「嫌われたのではないか」と心配したり、後悔したりすることもあるでしょう。
心配事について繰り返し考えていると、だんだん思考がネガティブな方向に進んでいきます。すると気分の落ち込みが続いたり、自分を責めるようになったりして、やがて抑うつ状態を引き起こしてしまいます。

マインドフルネスで「今」に集中するときは、未来への不安や過去の後悔などをいったん考えないようにします。何も考えない時間を作ることで、ネガティブな思考を断ち切れるからです。そうすることで、不安や心配などで感じていたストレスが軽減されます。

 

集中力の向上

人間は無意識にいろんなことを考えます。「考えよう」と意識していないのに、雑念が頭の中に浮かんでくるのです。いつどんな雑念が浮かぶのか、普段は意識することなく過ごしています。
仕事が忙しいときは、「あれもこれもやらなければ」と焦ってしまいますよね。一度に複数のことを考えると気が散って、作業の効率が落ちてしまいます。

マインドフルネスで「今」に集中する訓練をすれば、雑念が浮かんでいることに気づけるようになります。すると、雑念に気を取られて注意力が散漫にならず、目の前のことに集中できるようになります。
いろいろなことを一度にやろうとするよりも、ひとつのことに高い集中力を発揮することで、効率よく仕事ができるようになります。

 

うつ病の再発防止や症状の改善

マインドフルネスをストレス系疾患の治療や再発防止に役立てたいというのが、「マインドフルネスストレス低減法」の始まりでした。
うつ病から回復した患者を対象に、こんな研究が行われました。再発防止のためにマインドフルネスのセッションを受ける人と投薬治療をする人にわけて経過を見るというものです。その結果、マインドフルネスは投薬と同じだけうつ病の再発防止ができたことがわかりました。

ただし、投薬治療をした人の中にも、マインドフルネスを実践した人の中にも、うつ病を再発した人がいました。なので「マインドフルネスをすれば薬を飲まなくてもいい」というわけではありません。医師の指導に従って、ストレスの軽減や心を落ち着かせるためにマインドフルネスを取り入れることが大切です。

 

不眠症などの症状の改善

寝つきが悪い、夜中に何度も目覚めてしまう。抑うつ状態のときは、こうした睡眠障害の症状に悩まされます。
マインドフルネス瞑想をすると、交感神経と副交感神経のバランスが整うといわれています。自律神経が整うとよく眠れるようになり、症状の改善が見られます。

 

感情のコントロールができる

「今」に集中すると、自分自身の感情にも気づきやすくなります。マインドフルネス瞑想を続ければ、自分を客観視できるようになり、感情のコントロールもしやすくなります。
たとえば、すごく腹が立つことがあったとします。怒りの感情を相手にぶつけたいけれど、そのまま伝えたらけんかになりそうです。相手との関係をこじらせたくないから、ここはグッと感情を抑えて冷静に話そう。
マインドフルネスを実践していると、こんな風に自分の感情と行動を「選択」できるようになります。仕事もプライベートも人間関係がよくなりますよ!

 

マインドフルネスはビジネススキルで、瞑想はスピリチュアル!?

マインドフルネスといえば仕事の生産性を上げるなどのビジネスに使えるスキル、瞑想はリラックス効果やスピリチュアルなもの、というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

ビジネスパーソンがマインドフルネスを実践し始めたのは、アメリカのGoogle本社でマインドフルネスをベースとしたリーダーシップ研修が行われたのがきっかけです。この研修を社内で行ったところ、とても有益なものだとわかったので、オープンソースの精神でプログラム化したのです。その結果、Yahoo!やApple、IBMなどを始めとする企業で取り入れられ、世界中のビジネスパーソンの間で広がりました。日本でもトヨタ、リクルート、Panasonicなど、多くの企業で取り入れられています。

一方、瞑想にスピリチュアルな印象があるのは、「瞑想=自分自身と向き合うもの」だからだと考えられます。自分の精神や肉体をよく観察することで、ストレスの原因がわかり、軽減につながります。怒りや不安などの感情を静め、穏やかな気持ちになれます。

上記で説明したように、マインドフルネスと瞑想で得られる効果は共通しています。ビジネスか精神か、どちらか一方にしか働かないというわけではありません。

 

マインドフルネスと治療

うつ病などのストレス系の精神疾患の予防や再発防止を目的として、「マインドフルネスストレス低減法」が開発されました。それ以前からマインドフルネスという概念はありましたが、投薬治療と同じだけの効果があると実証され、医療にも使われるようになったのは1970年代以降です。
現在では、さまざまな分野でマインドフルネスが取り入れられています。たとえば、心理療法の「認知行動療法」を組み合わせた「マインドフルネス認知療法」は、うつ病の予防・再発防止に活用されています。それから、依存症や認知症への効果についても研究が進められ、マインドフルネスは治療や改善法として活かされています。


出典: Pixabay
 

マインドフルネス瞑想の実践

それでは、マインドフルネス瞑想の実践法をご紹介します。呼吸に集中する瞑想法をやってみましょう!

 

やり方は同じなのに瞑想法が違うのはなぜ?

サマタ瞑想もヴィパッサナー瞑想も呼吸に集中し、やり方はほとんど同じです。ですが、サマタ瞑想が呼吸そのものに集中するのに対して、マインドフルネス瞑想(ヴィパッサナー瞑想)は「気づく」ということを大切にしています。瞑想中に雑念が浮かんだらすぐに呼吸に意識を戻すのではなく、「どんなことにとらわれているのか」や、「どんな変化を感じたのか」ということに気づいたうえで、意識を戻します。このステップを踏むことで、普段の生活でも自分自身を観察し、変化に気づきやすくなり、客観視しやすくなります。

 

マインドフルネス瞑想の手順

1.       イス(または床)に座り、背筋をピンと伸ばす
2.       手のひらを上に向けて、手の甲を太ももの上に置く
3.       息は鼻から吸い、鼻から吐く(苦しければ口から吐いてもOK)
4.       軽くあごを引き、目をつぶる
5.       腹式呼吸をして、おなかがふくらみ、へこんでいく感覚に集中する
6.       雑念が浮かんだときは、雑念に気づいて、そっと意識を感覚に戻す

 

マインドフルネス瞑想のポイント

マインドフルネス瞑想は修行的な要素はありません。ですが、長い時間の瞑想を1回するよりも、毎日5分でいいので続けたほうが効果を感じられます。集中力を高めたいときや、発想力を豊かにしたいとき、頭の中が不安や焦りでいっぱいになっているとき、緊張をほぐしたいときなどに行うのがおすすめです。

それから、マインドフルネス瞑想は日常でとっている行動や動作に意識を向けることでできます。「完璧に瞑想をやろうとしない」というのもルールとして決まっているので、「できそう」だと感じる行動や動作でマインドフルネスを実践するのがおすすめです。

 

 
婚活・恋愛心理カウンセラー/マインドフルネスインストラクター:谷本由紀

 

 

谷本由紀のセッションのお知らせ

 

婚活・恋愛カウンセリング

時間:1時間(60分)料金:10,000円(税込み11,000円)
実施方法:Zoom
セッションのお申込み・お問合せは uraspi1234@gmail.com 宛にお願いいたします。
・氏名(漢字とひらがな) ・お住まいの都道府県名 ・希望セッション をご記載ください。

 

こんな方にお勧めします。

恋愛、婚活に悩む皆さんへ
心理カウンセラーが恋愛、婚活での悩みを聴き、問題を整理して解決に導きます。

ご相談例
・友達が結婚して、周りに同じように婚活をしている人がいないので、婚活の悩みや今の気持ちを聴いてほしい。
・自分に合う異性のタイプや出会い方を整理して、効率的に婚活がしたい。
・結婚相談所に登録しているけれど、うまくいかない。実際にお見合い経験があるカウンセラーから体験談やアドバイスを聴きたい。
・オンライン婚活パーティーやアプリでマッチングした人とビデオ通話をするときの印象を良くしたい。画面映り、声の大きさや話し方などのアドバイスが欲しい。
・人見知りで異性と話すのが苦手。話題の選び方や自分をアピールするポイントを知りたい。会話の練習がしたい!
・好きな人がいるけど、うまくいかない。自分がどうしたいのかわからないから、相談にのってほしい。

 

WRITTEN BY 谷本 由紀

谷本 由紀
心理カウンセラー/マインドフルネスインストラクター 20代は恋愛心理学や占い、モテテクニックの研究...