マインドフルネスで集中力アップ! パフォーマンスが上がる瞑想法は?
マインドフルネスで集中力アップ! パフォーマンスが上がる瞑想法は?
「今、この瞬間に集中している」状態を指すマインドフルネスは、集中力アップに有効だといわれています。仕事のパフォーマンスを上げる方法として、世界中の企業で注目され、取り入れられているのです!
この記事では、集中力が続かない理由とマインドフルネス瞑想で集中力をアップさせる方法についてお伝えします。
この記事を読むと、こんなことがわかります!
・集中力を持続させるのが難しい理由
・マインドフルネス瞑想で集中力がアップするワケ
・集中力を上げるマインドフルネス瞑想のやり方
・オフィスや自宅でできる集中力アップ瞑想法
気力だけで集中を続けるのは難しいものです。マインドフルネス瞑想を取り入れて、集中力を高めましょう!
出典: Pixabay
目次
集中力を持続させるのが難しい理由
集中力が続かないのは、やる気がないから・・・・・・ではありません! そもそも、集中力を持続させるのは難しいことなのです。さらに、仕事も家事も効率よくこなすには、マルチタスクで動くのが必須ですよね。でも、実はマルチタスクが集中力を途切れさせているとしたら!?
ここでは、集中力を持続させるのが難しい理由についてお伝えします。
マルチタスクは集中できない
ひとつの作業に集中して時間を使いたくても、人に話しかけられたり、電話やメールが入ったりする。それが、仕事現場の日常ですよね。
いくつもの作業を並行して行う「マルチタスク」は、仕事だけでなく家事や日常生活にもマストです。ですが、「次にあれをして、そのあいだにこれをして」というように、同時に複数のことを考えると集中力が途切れてしまいます。
マルチタスクでは何かをしながら別のことをする「ながら作業」も多くなります。それが習慣化すると、ほかのことに気をとられて目の前のことに集中できず、注意力が散漫になってしまいます。
「心ここにあらず」な状態とは?
たとえば、スマートフォンで動画を見ながらランチを食べる、歩きながら考え事をするというように、人は無意識に複数のことを同時に行っています。
あまり意識しなくてもできる行動・動作をとっているとき、「自動操縦状態」になります。たとえば、歩くときに右足を出したら次は左足というように、意識して動かしていませんよね? これが自動操縦です。自動的に体が動くので、頭では別のことを考えられます。何かをしながら別のことをしたり、考えたりしていると、「心ここにあらず」な状態になってしまいます。
その状態を「マインドレス」といいます。目の前のことに注意を向けている「マインドフルネス」に対して、あちこちに注意が散り、何にも集中できていない状態をいいます。集中力をアップさせるためには、マインドレスではなくマインドフルネスを心がけることが肝心です。
ボーッとしているのに疲れる理由
脳は常に動こうとする器官で、自分ではボーッとしていると思っているあいだも活動しています。脳のアイドリング状態を、「デフォルト・モード・ネットワーク」といいます。このモードは、なんと脳の消費エネルギーの60~80%を占めているのです! 自分ではぼんやりしているつもりでも、デフォルト・モード・ネットワークが過剰に働くことで脳が疲れてしまいます。こうして脳が疲れるのも、集中力が散漫になってしまう原因です。
テレワークで集中力が続かない原因は「コロナ禍」
自分のペースで仕事ができるはずのテレワークなのに集中できない! その原因は、コロナ禍にあります。ここでは、コロナ禍のテレワークが集中できない理由をお伝えします。
自宅は仕事モードに切り替えるのが難しい環境
自宅は生活をするための空間なので、そもそも仕事モードに切り替えるのが難しい環境です。集中して仕事に取り組みたくても、食事の準備をしたり、掃除が行き届いていないところが気になったり、うっかりテレビをつけてしまったり・・・・・・。そんな経験がある人は多いでしょう。
仕事モードに切り替えるためには、「視覚情報」を制限します。まず、仕事に必要なパソコンや筆記用具だけを机の上に置き、それ以外のものをできるだけ見ないようにします。仕事以外の視覚情報が入ってくることにより気持ちがそちらに向いてしまうからです。
生活に関するものが目に入ると集中力が途切れてしまうので、できるだけオフィスのデスクに近い環境を作るのがおすすめです!
通勤時間がなくなると集中力が低下する!?
テレワークでは通勤をしないので、メリハリをつけにくくなります。これまでは着替えて、体を動かして、環境を変えて・・・・・・という変化の中で仕事モードに切り替わっていったはずです。ところが、テレワークでは通勤がなく環境が変わらないので、自動的に気持ちが切り替わらず、仕事に集中するのが難しくなります。
また、同じ姿勢で仕事をしているのも集中力が途切れがちになる原因です。体を動かす機会も減っているので、通勤の代わりに散歩をしてから仕事を始めるのがおすすめです。散歩をするときは自動操縦状態にならず、歩くことに意識を集中させましょう。
「これからどうなるんだろう?」という不安がよぎる
経験したことがない状況では、未来への不安が募ってしまうものです。コロナ禍では、仕事をしている最中でも不安や心配事が頭をよぎることがあるでしょう。さらに、テレワークをしていると「雑談」をする相手がおらず、孤独を感じてしまいます。すると余計に不安やネガティブな思考で頭がいっぱいになり、「心ここにあらず」な状態になってしまうのです。
そうならないためには、Webミーティングの前後に職場の人と雑談をしたり、友達とLINEをしたりするのが効果的です。気分転換ができたり、「不安を感じているのは自分だけではない」と感じたりすることで心が落ち着いてきますよ。そうすれば、不安や心配事に頭の中を占領されず、仕事に集中できるようになるでしょう。
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なぜ、マインドフルネス瞑想で集中力がアップするのか?
集中力を高めて、仕事のパフォーマンスを上げる。そんな目的で、多くの企業でマインドフルネスが取り入れられています。わたし自身もマインドフルネスインストラクターとして、企業研修や経営者向けの勉強会で講義を行ったことがあります。
マインドレスよりマインドフルネスに過ごすほうが集中力アップにつながる。というのはなんとなくわかるけれど、どのように取り入れれば集中力が上がるのでしょうか? ここでは、マインドフルネス瞑想をすると集中力が高まる理由と具体的な瞑想法を解説します。
マインドフルネスを使った実験
アメリカで生産性に関するこんな実験が行われました。実験対象者を、「事前に何もトレーニングをしない」「リラクゼーション技術を学ぶ」「マインドフルネス瞑想のトレーニングを受ける」というグループにわけ、8週間のトレーニングを行いました。
実験内容は、パソコンと電話が備えつけてある部屋で、ひとりで事務作業を行うというもの。会議参加者の予定に合わせて会議のスケジュールを決め、空いている会議室を予約するなどの決められたタスクを20分間で行います。
ところが、その途中で来客があったり、電話がかかってきたりして、作業を邪魔されてしまいます。まさに、マルチタスクな内容です。
この実験の結果、マインドフルネス瞑想のトレーニングを受けたグループの集中力がもっとも高いことがわかりました。
脳の働きが変わる
ボーッとしているようで脳を疲れさせてしまう「デフォルト・モード・ネットワーク」では、後帯状皮質という部分が働いています。これは、脳が意識的な活動をしていないときに働く部分です。
マインドフルネス瞑想をすると、後帯状皮質の活動を低下させることがわかりました。活動を抑えることで脳のエネルギーを大量に消費するのを防げます。つまり、エネルギーを温存できるということです。
それだけではありません。後帯状皮質の活動が低下すると「フロー」という状態に入ります。これはいわゆる「ゾーン」と同じで、リラックスしつつ集中力を発揮できる状態です。このように脳のモードを意識的に変えることが、集中力がアップにつながるのです。
雑念に気づく
瞑想中に雑念に気づくこと。これこそが、集中力アップのカギとなります。ただ目を閉じて瞑想をするだけでは、デフォルト・モード・ネットワークが働いているのと同じ状態です。マインドフルネス瞑想に集中しようとしても、雑念が浮かんでくることがあります。ですが、雑念を浮かばないようにするのではなく、「雑念が浮かんだ」と気づくことがなによりも大切なのです! この気づきこそが、脳のモードを替えるスイッチになるからです。
また、意識して自分の心を見ることでマインドレスな状態からマインドフルネスへと切り替えることができます。「今、このことが気になっている」と意識することで、それをそのまま考え続けるか、それともほかのことを考えるか、自分で選択ができるようになります。
すると、考えながら何かをする「ながら作業」ではなく、目の前のことに集中できます。これがマインドフルネス瞑想が集中力をアップさせる理由です。
マインドフルネス瞑想のやり方
呼吸に意識を集中させる「呼吸瞑想」のやり方を紹介します。意識的に呼吸することで自律神経が整うので、空いた時間に試してみてくださいね。
《呼吸瞑想の手順》
1. イス(または床)に座り、背筋をピンと伸ばす
2. 手のひらを上に向けて、手の甲を太ももの上に置く
3. 息は鼻から吸い、鼻から吐く(苦しければ口から吐いてもOK)
4. 軽くあごを引き、目をつぶる
5. 腹式呼吸をして、おなかがふくらみ、へこんでいく感覚に集中する
6. 雑念が浮かんだら、ほかのことを考えていることに気づき、そっと感覚に意識を戻す
※呼吸は深呼吸ではなく、自然なペースで行う
※姿勢が悪くなってきたら、背筋をピンと伸ばす
※途中で眠らないように注意!
「ラベリング」の方法
瞑想中に雑念が浮かんできたら、その雑念に名前をつけます。これを、「ラベリング」といいます。名前をつけた雑念についてそれ以上考えるのを防ぐための作業です。それから、ラベリングをすることにより、「今、自分はこのことを考えている」と意識しやすくなるのも良い点です。
《ラベリングのやり方》
1. マインドフルネス瞑想中に雑念がわいてきたら、簡単な名前(ラベル)をつける
(例)おなかがすいた→空腹、明日の仕事→仕事、昨日のミス→ミス
2. ラベリングしたことについて考えを巡らず、そのままにしておく
3. 意識を呼吸に戻して、瞑想を続ける
※ラベリングをした名前や雑念は、瞑想後に覚えていなくてもOK!
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集中力をアップさせる瞑想の取り入れ方
集中力を上げるマインドフルネス瞑想は、どんなときに行えばいいのでしょうか? ここでは、より簡単に仕事中やテレワークで取り入れる方法をお伝えします。
瞑想をいつ、どれくらいすれば集中力がアップする?
マインドフルネス瞑想をする時間帯や瞑想時間に決まりはありません。やりやすいときに、できる時間だけ行いましょう。
ですが、集中力アップを目的として行うなら、次の2つのタイミングがおすすめです。
1つ目は、「これから集中したい」というとき。午前中の仕事を始める前に5分間の瞑想をするのがおすすめです。頭がスッキリして、仕事へのモチベーションも上がりますよ!
2つ目は、集中力が切れたときです。長く集中していると体も頭も疲れているので、まずは休憩をとりましょう。その後、再び集中するために10分ほどの瞑想を行うのがおすすめです。
オフィスでできる集中力アップ瞑想
オフィスでは、パソコンを立ち上げるまでの間に瞑想をするなど、すきま時間を活用しましょう。そうすれば、「瞑想をする時間がとれない」という悩みが解消されます。
人と一緒に瞑想をするのもおすすめです。瞑想中にそばで瞑想をしている人の気配を感じられると安心するからです。時間を決めてチームメンバーで瞑想をするといいですね。人の体内時計は90分刻みのリズムで動いています。これを「ウルトラディアンリズム」といいます。なので、90分は仕事に集中して、20分は休憩と瞑想に使うというようにルール化するのもいいかもしれません。
テレワークだからできる集中力アップ術
自宅は集中できにくい環境ですが、自分のペースで仕事ができるという良さがあります。心地よい室温や照明、服装で、リラックスしながら集中力を発揮できるように工夫を!
同じ姿勢が続くときは、体を動かす「ムーブメント瞑想」がおすすめです。肩をゆっくりと回すだけでOK。「ながら」ではなく、伸びている部分などの筋肉の動きに意識を向けましょう。
仕事の合間にマインドフルネス瞑想を行うことで、集中力がアップします。ぜひ、気軽に取り入れてくださいね。
婚活・恋愛心理カウンセラー/マインドフルネスインストラクター:谷本由紀
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