マインドフルネスでうつ病を防ぐ! 瞑想法と注意点とは?


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最近、なんだか気分が落ち込むことが多い・・・・・・。
「マインドフルネスは、うつ病に効果がある」って聞いたことがあるけど、取り入れてみようかな?
「マインドフルネスストレス低減法」は、うつ病などのストレス系の精神疾患患者のために開発されたものです。
抑うつ状態になるのを防ぐためには、ストレスを軽くすることが大事です。ストレスの軽減に、マインドフルネスの考え方やマインドフルネス瞑想が役立ちます。

マインドフルネスと認知行動療法を組み合わせた「マインドフルネス認知療法」では、うつ病の再発を防ぐことができたという研究結果も多く報告されているんですよ!
ですが、今まさにうつ病で苦しんでいる人が自己流で取り入れると、症状が悪化してしまう恐れがあります。マインドフルネスは決して危険なものではありませんが、強いストレスを感じているときや抑うつ状態のときは、取り入れ方に注意が必要です。

この記事では、以下の内容をお伝えしています!
・うつ病の予防や再発防止に有効なマインドフルネスの方法
・なぜ、マインドフルネスがうつの症状を改善するのか?
・ストレスを軽減させるマインドフルネス瞑想のやり方
・うつを悪化させないためにマインドフルネス瞑想で気をつけること

うつ病は、100人のうち約6人が生涯のうちに経験しているといわれています。また、「心の風邪」というように、かかりやすく、再発することもあります。
それくらいわたしたちの身近にある病気だということです。マインドフルネスをうつ病の予防や再発防止に役立てましょう。

うつ病の予防や再発防止に有効なマインドフルネスの方法とは?

うつ病は、自分がうつ病にかかっていると自覚するまでに、少し時間がかかる場合があります。一度は治っても、再発することもあります。
そんなうつ病の予防や再発防止にマインドフルネスを活用できたらいいですよね!? ここでは、うつ病の予防や再発防止に有効なマインドフルネスの方法についてお伝えします。

 

マインドフルネスストレス低減法とは?

1970年代にアメリカのマサチューセッツ大学医学大学院教授のジョン・カバットジンが開発したのが「マインドフルネスストレス低減法」です。
うつ病をはじめとしたストレス系の疾患患者の治療や再発防止のために、マインドフルネスを取り入れたのが始まりです。
投薬で治療する西洋医学にマインドフルネスを取り入れ、西洋と東洋の医学を統合させたのがジョン・カバットジンだといわれています。
マインドフルネスのセッションや瞑想をうつ病の治療に取り入れ、投薬と精神治療を組み合わせました。また、すでにうつ病にかかっている人だけでなく、ストレスを低減する目的があり、うつ病を予防したり、再発を防止したりする働きもあります。

 

マインドフルネスと脳の関係

脳は常に動いている臓器で、無意識に何かを考えています。未来のことを考えたり、過去を振り返ったりと、「思考」がいつも働いています。ストレスを感じているときは、不安な感情や思考で頭の中がいっぱいになってしまいます。うつ病になると、判断力がにぶったり、集中力が落ちたりするのはこのせいです。
そんな脳の疲労やストレスケアとして、マインドフルネス瞑想が有効です。瞑想をして「今」に集中することにより、思考をコントロールできるようになります。「今はこのことを考える(考えない)」とか、「今は、これだけに集中する」というように、意識的に脳を使えるようになるのです。すると、動き続ける脳を休ませることができます。
それから、脳内にある「扁桃体」は不安を生み出す部分ですが、マインドフルネス瞑想をすることで過剰な活動がおさまるといわれています。瞑想をすれば不安な気持ちを落ち着かせることができる、というわけです。

 

マインドフルネス認知療法とは?

うつ病の治療として用いられている心理技法として「認知行動療法」があります。マインドフルネス認知療法とは、うつ病患者の再発を防止するためにマインドフルネスを取り入れた療法で、第三世代の認知行動療法と呼ばれています。

マインドフルネス認知療法について、こんな研究結果が報告されています。3回以上うつの発症を繰り返した人を対象に、イギリスで研究が行われました。抗うつ剤を服用している人を、マインドフルネス認知療法を行うグループと抗うつ薬治療を行うグループにわけました。
2年間にわたって調査を行ったところ、うつ病の再発率はマインドフルネス認知療法グループで47%、抗うつ薬治療グループで47%となりました。つまり、マインドフルネス認知療法が投薬治療と同じだけの再発を抑える効果があったということです。

 

 

なぜ、マインドフルネスがうつの症状を改善するのか?

このように、マインドフルネスはうつ病の予防や改善、再発防止に活用されています。では、なぜマインドフルネスを行うことでうつ病の症状が改善するのでしょうか?
ここでは、うつ病になるときの心の仕組みやマインドフルネスによる症状の改善法についてお伝えします。

 

うつ病になるとどうなる?

うつ病は、精神的または身体的なストレスにより、脳内の神経伝達物質がうまく伝達されなくなることで起こります。うつ病になると感情や気分の調節ができなくなったり、体調が悪くなったりします。
何をしていても楽しくない、気分がずっと落ち込んでいる状態(=抑うつ状態)が1~2週間程度続く場合、うつ病と診断される可能性があります。また、眠れない、食欲がないなどの身体症状が出るのも特徴です。
うつ病になると物事のとらえ方が否定的になり、「自分はダメな人間だ」と自分を責めるようになります。

 

抑うつ状態になる思考の仕組み

ストレスの原因について繰り返し考えることにより、抑うつ状態を引き起こしてしまいます。
たとえば、職場で上司に叱られたとします。そのときは、怒り、悲しみ、つらい、ショック、恥ずかしいなどの感情がわいてきますが、時間がたてばこれらの感情は消えていくものです。

ところが、上司に叱られたことを、「自分には能力がない」とか、「自分は嫌われている」と否定的にとらえると、ネガティブな感情や思考がさらに広がっていきます。常にそのことを考えるようになり、過去に叱られた出来事や人から嫌われたことを思い出して落ち込んだり、「あの人にも嫌われているのかも」と不安になったりします。
このようにネガティブな感情や思考を反すう(繰り返す)することで、さらに気分が落ち込み、抑うつ状態がひどくなってしまうのです。

 

マインドフルネスを取り入れてうつを改善する方法

ストレスの感じ方が人によって違うのは、「認知」が異なるからです。「認知」とは物事のとらえ方のことで、人によってとらえ方が違います。抑うつ状態では「認知の偏り」が生じて、物事を否定的にとらえてしまいます。そのため、うつ病の治療では、時間をかけて認知の偏りを修正していきます。
ところが、落ち込みの原因や自分の認知を「変えなければならない」と思うと、さらにその感情にとらわれてしまうことがあります。たとえば、「悲しみ」を取り除こうとしても簡単にはなくならず、さらに悲しくなってしまうというように。

そこで認知の偏りを修正しようとせずに、自分自身の感情や思考、身体感覚との関係のあり方を変えようとしたのが、マインドフルネス認知療法です。ネガティブな感情を打ち消そうとせず、「あるがまま」を観察して受け入れます。
「今」の感情や考え、感覚だけに意識を向けます。その都度、その都度、「今の瞬間」をあるがまま受け入れるのです。そうして過去に起こった出来事や感情、将来への不安などと結びつけないようにします。反すうしないことで、思考の悪循環を止められます。


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「歩く瞑想」で、ストレスを軽減させる!

「今、この瞬間」に集中する方法として、マインドフルネス瞑想があります。今回はその中でも、「歩く瞑想」を紹介します。

 

なぜ、「歩く瞑想」をするといいのか?

「歩く瞑想」では、なにげなくしている動作に意識を向けます。歩くときに、「右のつま先で地面を蹴って、かかとで着地して」と一歩ごとに意識していませんよね?
そんな「考えずにできる動作」をしているとき、人は無意識に何かを考えています。憂うつな出来事について考えをめぐらせていることもあるでしょう。

歩く瞑想では、動作のひとつひとつに意識を集中させます。そうすることで、ネガティブな感情を反すうしたり、広がったりするのを防ぎます。また、歩いているときにできるので、わざわざ瞑想をする時間をとらなくてもできるのも良い点です。

 

「歩く瞑想」の手順を解説!

1.背筋を伸ばして立ち、目線は3~4メートル先の地面に向ける

2.足の感覚に意識を向けて、動きを心の中で実況する
(例)「かかと」が上がる、「つまさき」が上がる、「太もも」が上がる

3.無理のない時間と場所、呼吸で行う

※普段のスピードで歩くと、心の中の実況が追いつきません。右の太ももを上げるときに、心の中で「右」と意識する程度でOKです!

※歩きながらほかのことを考えていると気づいたら、足の感覚に意識を戻しましょう。また、足だけでなく、ほほに当たる風や目に入ってくる景色、花の香り、自動車が通る音などの感覚に集中して歩くのもおすすめです。

 

こんなメリットも! 歩くと幸せホルモンが出る理由とは?

歩くことで、神経伝達物質の「セロトニン」が分泌されます。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれており、幸福感をもたらしてくれます。
セロトニンの分泌には、日光を浴びることとリズム運動が効果的だといわれているので、まさに歩く瞑想がぴったりですね。
それから、軽い運動は体の深部を温め、自律神経を整える働きもあります。
抑うつ状態では、セロトニンの分泌が不足し、ストレスにより自律神経が乱れやすくなります。歩く瞑想で体にアプローチすることで、うつ病を予防でき、体も心も健やかに過ごせそうですね。

 

 

うつ病が悪化する可能性も! マインドフルネス瞑想で気をつける3つの点

マインドフルネス認知療法がうつ病の再発や治療、予防の方法として活用されていることをお伝えしてきました。
ですが、「マインドフルネスさえすれば、うつが治る!」というわけではないのです。取り入れ方によっては、うつの症状が悪化してしまう恐れもあります。
うつ病を悪化させないためにも、まずは以下の3つの点に注意しましょう。

 

1.うつ病の治療中に自己流で取り入れない

うつ病でつらい思いをしているときは、新しい取り組みを始めないほうがいいですね。余計に自信を失い、悪化してしまう場合があるからです。治療中は心と体を休ませることが大切なので、取り入れる時期などは医師の指示をあおぎましょう。
それから、「マインドフルネスを取り入れるから投薬治療を中断しても大丈夫」というように、自己判断するのは危険です。マインドフルネス認知療法は自己流で取り入れず、治療と一緒に行うようにしてください。

 

2.完璧にできない自分を責めない

瞑想に集中できないときや、瞑想の時間がとれないことってありますよね。そんなときは、自分を責めないようにしてください。
「集中できなければ意味がない」とか、「瞑想もできないなんて、自分はなんてダメな人間なんだ」と自己評価することにより、うつ病が悪化する恐れがあるからです。
瞑想する気分ではないときに瞑想は行わない。瞑想に集中できないときも、「集中できなかった」とあるがままに受け入れます。自分が悪いとか、自分はダメだというように評価したり、責めたりしないでください。

 

3.「不安」にとらわれない

瞑想をすることで自分の感情に気づきやすくなります。「今、不安を感じている」と瞑想中に気づいたことで、その後も感情を引きずってしまう場合があります。これは、悲しみを取り除こうとしてさらに悲しくなってしまうパターンと同じです。
不安を感じたら、しばらくはそのままの状態でいましょう。不安について深く考えることも、無理に忘れようとすることもせず、「あるがまま」で過ごします。

それでも不安が消えない場合は、感じていることを書き出すのがおすすめです。やがてその不安が解決すべき問題か、漠然とした感情なのかが見えてきます。すると、解決策を考えるとか、「そのうち消えるだろう」と不安に執着せずに過ごせるようになります。人に話して気分転換をしたり、考えを整理したりするのもいいですよ。

 

婚活・恋愛心理カウンセラー/マインドフルネスインストラクター:谷本由紀

 

 

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WRITTEN BY 谷本 由紀

谷本 由紀
心理カウンセラー/マインドフルネスインストラクター 20代は恋愛心理学や占い、モテテクニックの研究...