マインドフルネスにデメリットはある?5つのデメリットと対処法を解説

マインドフルネスの5つのデメリットには、以下のようなものが考えられます。

・体調不良を引き起こす可能性がある
・瞑想に依存する
・自己肯定感が下がる
・不安が増大する
・効果を感じられなくてイライラする

ただし、これらのデメリットは必ず起こるものではありません。
瞑想のやり方やマインドフルネスの取り組み方次第で、これらのデメリットを感じる場合があるということです。
この記事では、マインドフルネスのデメリットの内容と、それらを感じたときの対処法を詳しく解説しています。
マインドフルネスについて正しく知り、心身の健康に役立てましょう!

マインドフルネスにデメリットはある?

マインドフルネスは、「今、この瞬間」に意識を集中させている状態をいいます。その状態になるために、「マインドフルネス瞑想」を行うのが特徴です。

マインドフルネスの考え方を取り入れたり、瞑想を行ったりすることによって何か悪い作用が働くわけではありません。ですが、「デメリット」を感じる人もいます。

 
「瞑想をして調子が悪くなった」と感じるなら、マインドフルネスや瞑想の取り組み方に問題があるのかもしれません。以下は、考えられる5つのデメリットとその対処法です。ぜひ、参考にしてください!


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マインドフルネスのデメリット5つと対処法

ここでは、マインドフルネスや瞑想によって生じる可能性があるデメリット5つとその対処法についてお伝えします。
「マインドフルネスに挑戦してみたけれどうまくいかなかった」という人も、ぜひ読んでみてください。

 

体調不良を引き起こす可能性がある

瞑想を行うことで心が落ち着き、体は休止状態になります。そのため、食事を摂った直後に瞑想をすると、消化不良を引き起こす場合があります。
もし、腹痛や胃腸の調子が悪いと感じたら、瞑想をする時間を見直してみてください。マインドフルネス瞑想をするのは、起床後すぐ、午前中の集中力が切れてきたランチ前がおすすめです。

また、マインドフルネスは痛みの緩和やうつ病の症状が改善するといわれています。ですが、病院での治療を受けずにマインドフルネス瞑想をしていれば治るというわけではありません。
マインドフルネスで体に意識を向けることで痛みに気づけば、早めに対策をとれます。うつ病に関しても、まずは今の心の状態を観察し、「ストレスを感じている」とか、「落ち込みが続いている」と気づけるようになります。このように体と心のSOSを感じたら、すぐに専門医を受診してください。

 

瞑想に依存する

瞑想をすると心がフラットな状態になります。
イラッとすることがあって頭に血がのぼっているときに瞑想をすると、怒りがスーッと落ち着いていくのを感じられます。
また、落ち込んでいるときや不安を感じているときに瞑想を行うと、呼吸が整い、嫌な感情や不安を手放すことができ、気持ちが上向きになっていきます。

このように、瞑想をすると自分の心や感情を扱いやすくなります。ですが、「瞑想さえしていれば大丈夫!」というわけではありません。瞑想に頼り過ぎると依存し、現実逃避につながってしまう恐れがあります。

たとえば、解決しなければならない問題があるのに、「瞑想をすれば不安やストレスが軽くなるから大丈夫」だと思って、瞑想をする時間を増やすとします。でも、これでは問題は解決しませんよね。人に相談するよりも瞑想をしたほうがいいと思い、自分の殻に閉じこもってしまうこともあります。
現実から目をそむけて一時的に心が軽くなっても、また不安や不満を感じるようになります。すると、「瞑想をしているのに、気分が晴れないのはなぜ?」と、デメリットとして感じるかもしれません。

依存しないための対策として、問題に取り組む前にマインドフルネス瞑想をすることをおすすめします。心をフラットな状態に保つことができ、集中力も上がりますよ。その状態で問題に向き合えば、解決しやすくなるでしょう。

 

自己肯定感が下がる

その日の体調や心の状態によって、瞑想に集中できない場合があります。
すると、「瞑想に集中できないなんてダメだ!」と自分を責める人がいます。また、瞑想を毎日したいけれど時間がとれなくて継続できなかったときに挫折感を味わうこともあります。
このように自分を責め続けると、自己肯定感が低下してしまいます。特に、「瞑想に集中できないなんて、自分はダメな人間だ」と思い始めたら要注意。自分のことを無能だと感じたり、価値がない人間だと思い始めたりするのは抑うつ状態の特徴だからです。

瞑想がうまくできなくても、「こんな日もある」と考えることが大事です。マインドフルネスは、あなたの心と体に意識を向けて、自分のあるがままを受け入れ、楽に生きるためのものです。この記事の後半に、「瞑想を続けられるマインドフルネス・ルール」を解説しているので、そちらを参考にしてくださいね。

 

不安が増大する

瞑想時に浮かんでくる思考を、「雑念」と呼びます。雑念とは、普段は無意識に考えていることで、過去に起こった出来事を思い出すこともあれば、未来を想像する場合もあります。瞑想中は「雑念」に気づき、そっと感覚に意識を戻します。そうすることで、雑念(例:不安、後悔)が広がっていくのを防ぎます。

「マインドフルネスをすることで不安が増大した」と感じる人がいます。なぜこのように感じるかというと、瞑想のときに浮かんできた不安な感情を覚えているからです。瞑想中は不安が雑念として浮かんできたとしても、それ以上は考えないようにしています。ですが、瞑想が終わった後に考えてしまい、不安が広がってしまうのです。
ですが、瞑想中に浮かんだ不安は、瞑想をしていなくても無意識に感じているはずです。「今」に集中したために、不安を感じていることを自覚した、というわけです。

対処法としては、自分が不安を感じていることをまずは受け入れます。そのうえで、「どうすれば不安が軽くなるのか?」と考えます。
問題や悩みが解決しなければ不安が軽くならない場合は、集中して問題に取り組む、周囲の人に相談することによって、状況が変わってくると思います。状況が変われば、不安な気持ちが軽くなるはずです。

不安について考えなければ心が落ち着くのであれば、瞑想時と同じように意識を別のことに向けるといいでしょう。意識的に不安について考えず、ほかのことを考えます。なかなか頭から離れない場合は、体を動かすなどして気分転換をするのがおすすめです。

 

効果を感じられなくてイライラする

マインドフルネスに取り組んでいるのに効果が感じられない。時間をかけて瞑想をしているのになぜ?
そんな風にイライラしてしまい、マインドフルネスには効果がないと感じる、という場合もあります。
イライラするのは、このように感じたときが多いようです。

・瞑想をしても集中できない
・瞑想のやり方が合っているのかわからない
・瞑想をしているのに変化がない
・ほかの人は瞑想の効果を感じているのに自分は何も変わっていない

この場合は、すぐに変化や効果が出るのを期待し過ぎないのが対処法です。自分では気づいていないかもしれませんが、少しずつ変化しているはずです。イライラするのも変化だからです。
自分の心に目を向け、「瞑想をすると変化があると思っていたけれど、何も変わらないことに焦っているんだな」と気づけば、「別に変わらなくてもいいか」とか、「もう少し続けてみようかな」と思うようになり、イライラがおさまってくるでしょう。


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デメリットだけじゃない! マインドフルネスがもたらす効果

ここまでは、マインドフルネスを実践した人が感じやすいデメリットについて解説してきました。デメリットを感じた場合は、対処法を試してみてください。
もちろん! マインドフルネスにはメリットもあります。マインドフルネスを取り入れ、瞑想をすることで期待できる効果についてお伝えします。

 

ストレスの軽減

マインドフルネスを取り入れると、ストレスを軽くすることができます。
たとえば、明日の仕事で不安な点があり、そのことについて考えているうちに、さらに心配になってしまう・・・・・・という経験はありませんか?
職場の人や友達にきつい言い方をしてしまい、「嫌われたのではないか」と心配したり、後悔したりすることもあるでしょう。
心配事について繰り返し考えていると、だんだん思考がネガティブな方向に進んでいきます。すると気分の落ち込みが続いたり、自分を責めるようになったりして、やがて抑うつ状態を引き起こしてしまいます。

マインドフルネスで「今」に集中するときは、未来への不安や過去の後悔などをいったん考えないようにします。何も考えない時間を作ることで、ネガティブな思考を断ち切れるからです。そうすることで、不安や心配などで感じていたストレスが軽減されます。

 

集中力の向上

人間は無意識にいろんなことを考えます。「考えよう」と意識していないのに、雑念が頭の中に浮かんでくるのです。いつどんな雑念が浮かぶのか、普段は意識することなく過ごしています。
仕事が忙しいときは、「あれもこれもやらなければ」と焦ってしまいますよね。一度に複数のことを考えると気が散って、作業の効率が落ちてしまいます。

マインドフルネスで「今」に集中する訓練をすれば、雑念が浮かんでいることに気づけるようになります。すると、雑念に気を取られて注意力が散漫にならず、目の前のことに集中できるようになります。
いろいろなことを一度にやろうとするよりも、ひとつのことに高い集中力を発揮することで、効率よく仕事ができるようになります。

 

うつ病の再発防止や症状の改善

マインドフルネスをストレス系疾患の治療や再発防止に役立てたいというのが、「マインドフルネスストレス低減法」の始まりでした。
うつ病から回復した患者を対象に、こんな研究が行われました。再発防止のためにマインドフルネスのセッションを受ける人と投薬治療をする人にわけて経過を見るというものです。その結果、マインドフルネスは投薬と同じだけうつ病の再発防止ができたことがわかりました。

ただし、投薬治療をした人の中にも、マインドフルネスを実践した人の中にも、うつ病を再発した人がいました。なので、「マインドフルネスをすれば薬を飲まなくてもいい」というわけではありません。医師の指導に従って、ストレスの軽減や心を落ち着かせるためにマインドフルネスを取り入れることが大切です。

 

不眠症などの症状の改善

寝つきが悪い、夜中に何度も目覚めてしまう。抑うつ状態のときは、こうした睡眠障害の症状に悩まされます。
マインドフルネス瞑想をすると、交感神経と副交感神経のバランスが整うといわれています。自律神経が整うとよく眠れるようになり、症状の改善が見られます。

 

感情のコントロールができる

「今」に集中すると、自分自身の感情にも気づきやすくなります。マインドフルネス瞑想を続ければ、自分を客観視できるようになり、感情のコントロールもしやすくなります。
たとえば、すごく腹が立つことがあったとします。怒りの感情を相手にぶつけたいけれど、そのまま伝えたらけんかになりそうです。相手との関係をこじらせたくないから、ここはグッと感情を抑えて冷静に話そう。
マインドフルネスを実践していると、こんな風に自分の感情と行動を「選択」できるようになります。仕事もプライベートも人間関係がよくなりますよ!


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瞑想を続けられるマインドフルネス・ルール

マインドフルネス瞑想は継続することで効果や変化を感じられます。ですが、習慣化するまでは継続するのが難しいと感じる人も多いと思います。継続が難しいのは、時間がないとか、瞑想に集中できないのが主な理由です。
実は、マインドフルネス瞑想には以下のようなルールがあります。瞑想は、集中できなくても、さぼってしまってもいいのです!

これらのルールは瞑想がうまくいかないときに気持ちが楽になるだけでなく、普段の生活にも役立ちます。特に、完璧主義な人、頑張り屋な人におすすめです。マインドフルネス瞑想を通して、自分にも他人にも完璧を求めなくなり、ストレスが軽くなりますよ。

 

良い・悪いで判断しない

マインドフルネス瞑想では、「良い」または「悪い」で判断したり、評価を下したりしないというルールがあります。
たとえば、瞑想中に明日の仕事が気になって不安になってしまったとします。そのときに、「雑念が浮かぶのはダメ」とか、「不安を感じるのは悪いこと」と考えるのではなく、「今、明日の仕事に不安を感じているんだな」と浮かんできた雑念を心の中で言葉にします。これを、「無意識の意識化」といいます。

こうすることで、自分自身が何を感じているのか明確にわかるようになります。するとただ不安を感じるのではなく、不安を解消するための行動(例:翌日の仕事の準備をする、不安な点を同僚や上司に相談するなど)がとれるようになります。

それから、瞑想を通して「良い・悪い」で判断しないクセをつけるのもストレスの軽減につながります。仕事でミスが起こったときに、「わたしが悪かった」と必要以上に自分を責めたり、「誰が悪い(または良い)」と考えたりするのではなく、起こった出来事にフォーカスできるようになるからです。そうすることでミスに素早く対処でき、同じ事態が起こらないための対策をとれるようになります。

 

完璧にやろうとしない

瞑想を完璧にやろうとすると、雑念が浮かぶことが許せなくなります。ひとつでも雑念が浮かぶと、「この瞑想は失敗だ!」とか、「自分は瞑想には向いていない」と考えてしまう人もいます。ですが、長く瞑想をしている僧侶でさえも雑念が浮かぶそうです。「完璧な瞑想」なんて、ないのかもしれません。
完璧主義な人は、オールオアナッシングな考え方をする傾向があります。成功か失敗か、成功(完璧)でなければ意味がない、と極端に考えてしまいがちです。ですが、瞑想を通して完璧ではない自分を感じることで考え方も変わってくるはずです。

それに自分は完璧にできていたとしても、予期せぬ出来事が起こったりしますよね。そんなとき、完璧主義な人は強いストレスを感じます。ですが、「成功か失敗のどちらかだけじゃない」と思えるようになれば、そのストレスも少しやわらぐはずです。

 

むやみに努力しない

瞑想をするために、むやみに努力しないというのもルールのひとつです。「良い瞑想」や「完璧な瞑想」を目指して、必要以上に努力をしなくていいのです。
つまり、決まった時刻に瞑想ができなくても、集中できなくても、瞑想を忘れる日があってもいい、ということです。マインドフルネスには、ゆるっと取り組んでみてください。

 

「あるがまま」を受け入れる

イライラしているときも、不安でモヤモヤしているときも、「今の自分」として受け入れるのがマインドフルネスです。
自分自身を否定せず、嫌な感情を打ち消そうとせず、人と比べて評価したりもせず、ただ自分自身を受け入れます。そうすることで自己肯定感が上がり、幸福感で満たされます。

これを続けることによって、周囲の人との接し方も変わってきます。イライラしている人を見ても、「今、イライラしているみたいだな」と客観的にとらえられるようになります。そして、「イライラしないでよ!」と相手に求めるのではなく、「そういう気分のときもあるよね」と受け入れられるようになります。こうして人間力が上がるのもマインドフルネスのメリットだといえます。

 

 

それでもデメリットを感じるときは・・・・・・

マインドフルネス・ルールを取り入れてもうまくいかない、デメリットを感じるという場合は、瞑想をやめましょう!
「せっかく学んだのだから」と思って瞑想やマインドフルネスにこだわると、余計にストレスを感じてしまいます。また気分が向いたときに1回だけやってみるのもいいですし、再開するのもいいでしょう。

マインドフルネスには正解もなければ、良い・悪いのジャッジもありません。心も体も健やかに過ごすためのツールとして活用していただけるとうれしいです。

 

 

婚活・恋愛心理カウンセラー/マインドフルネスインストラクター:谷本由紀

 

 

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WRITTEN BY 谷本 由紀

谷本 由紀
心理カウンセラー/マインドフルネスインストラクター 20代は恋愛心理学や占い、モテテクニックの研究...