マインドフルネスは効果がない? 瞑想と効果を実感するコツを解説!
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マインドフルネスとは、「今、この瞬間に集中している状態」をいいます。心と体をそんな状態にする手段として、マインドフルネス瞑想を行うのが特徴です。
マインドフルネスを実践すると、こんな効果が期待できます。
・ストレスの軽減
・集中力の向上
・うつ病の再発防止や症状の改善
・不眠症などの症状の改善
・感情のコントロールができる
ほかにもさまざまな効果があり、健やかな心と体作りに役立ちます。
ですが、マインドフルネスインストラクターをしていると、「マインドフルネスを試したけど、効果を実感できない」という相談を受けることがあります。
マインドフルネスには効果がないのでしょうか?
答えは、NOです。
マインドフルネスの効果や変化を実感するためには、コツがあるのです。
この記事では、マインドフルネスの効果や瞑想の実践法、そして、マインドフルネスの効果を実感できるコツについて詳しく解説しています。ぜひ、最後まで読んでくださいね。
目次
マインドフルネスとは何か?
「マインドフルネス」って言葉はよく聞くけれど、リラックスやストレスケアのイメージもあるし、会社の研修や瞑想のイメージもある。
結局のところ、マインドフルネスって何なの!?
そう思う人も多いのではないでしょうか。
ここでは、マインドフルネスとは何かについて解説します。
マインドフルネスはどんな状態
マインドフルネスとは、「今、この瞬間に集中している状態」をいいます。mindfulは、「意識を向けている」という意味で、nessは「状態」を表します。
まだ起こっていない未来を心配したり、過去に起こった出来事を思い出して反省や後悔をしたりするのではなく、「今」に意識を集中させている。
その状態をマインドフルネスといいます。
マインドフルネス瞑想とは?
マインドフルネス(な状態)を作るために用いるのが瞑想です。
「マインドフルネス=瞑想」というイメージを持つ人もいると思いますが、マインドフルネスで過ごすための方法として瞑想を行います。
マインドフルネス瞑想は、思想や信仰、修行といった要素を一切排除しているのが特徴です。つまり、どんな人でもマインドフルネス瞑想ができるということです。脳のエクササイズとして気軽にトライしてください!
マインドフルネスの効果とは?
それでは、マインドフルネスを日々の生活や仕事に取り入れることで、どんな良いことがあるのでしょうか?
ストレスケアとして取り入れる人もいれば、仕事のパフォーマンスを上げるために実践する人もいます。
「マインドフルネス」といえば、ビジネスパーソンが取り組むものというイメージを持つ人も多いと思います。
これは、アメリカのGoogle本社で、マインドフルネスをベースとしたリーダーシップ研修が行われたのがきっかけです。この研修を社内で行ったところ、とても有益なものだとわかったので、オープンソースの精神でプログラム化しました。その結果、Yahoo!やApple、IBMなどを始めとする企業で取り入れられ、世界中のビジネスパーソンの間で広がりました。日本でもトヨタ、リクルート、Panasonicなど、多くの企業で取り入れられています。
このようにマインドフルネスにはさまざまな効果があり、人によってマインドフルネスを取り入れる目的が違います。
ここでは期待できる5つの効果について解説していきます。
ストレスの軽減
マインドフルネスを取り入れると、ストレスを軽くすることができます。
たとえば、明日の仕事で不安な点があり、そのことについて考えているうちに、さらに心配になってしまう・・・・・・という経験はありませんか?
職場の人や友達にきつい言い方をしてしまい、「嫌われたのではないか」と心配したり、後悔したりすることもあるでしょう。
心配事について繰り返し考えていると、だんだん思考がネガティブな方向に進んでいきます。すると気分の落ち込みが続いたり、自分を責めるようになったりして、やがて抑うつ状態を引き起こしてしまいます。
マインドフルネスで「今」に集中するときは、未来への不安や過去の後悔などをいったん考えないようにします。何も考えない時間を作ることで、ネガティブな思考を断ち切れるからです。そうすることで、不安や心配などで感じていたストレスが軽減されます。
集中力の向上
人間は無意識にいろんなことを考えます。「考えよう」と意識していないのに、雑念が頭の中に浮かんでくるのです。いつどんな雑念が浮かぶのか、普段は意識することなく過ごしています。
仕事が忙しいときは、「あれもこれもやらなければ」と焦ってしまいますよね。一度に複数のことを考えると気が散って、作業の効率が落ちてしまいます。
マインドフルネスで「今」に集中する訓練をすれば、雑念が浮かんでいることに気づけるようになります。すると、雑念に気を取られて注意力が散漫にならず、目の前のことに集中できるようになります。
いろいろなことを一度にやろうとするよりも、ひとつのことに高い集中力を発揮することで、効率よく仕事ができるようになります。
うつ病の再発防止や症状の改善
マインドフルネスをストレス系疾患の治療や再発防止に役立てたいというのが、「マインドフルネスストレス低減法」の始まりでした。
うつ病から回復した患者を対象に、こんな研究が行われました。再発防止のためにマインドフルネスのセッションを受ける人と投薬治療をする人にわけて経過を見るというものです。その結果、マインドフルネスは投薬と同じだけうつ病の再発防止ができたことがわかりました。
ただし、投薬治療をした人の中にも、マインドフルネスを実践した人の中にも、うつ病を再発した人がいました。なので、「マインドフルネスをすれば薬を飲まなくてもいい」というわけではありません。医師の指導に従って、ストレスの軽減や心を落ち着かせるためにマインドフルネスを取り入れることが大切です。
不眠症などの症状の改善
寝つきが悪い、夜中に何度も目覚めてしまう。抑うつ状態のときは、こうした睡眠障害の症状に悩まされます。
マインドフルネス瞑想をすると、交感神経と副交感神経のバランスが整うといわれています。自律神経が整うとよく眠れるようになり、症状の改善が見られます。
感情のコントロールができる
「今」に集中すると、自分自身の感情にも気づきやすくなります。マインドフルネス瞑想を続ければ、自分を客観視できるようになり、感情のコントロールもしやすくなります。
たとえば、すごく腹が立つことがあったとします。怒りの感情を相手にぶつけたいけれど、そのまま伝えたらけんかになりそうです。相手との関係をこじらせたくないから、ここはグッと感情を抑えて冷静に話そう。
マインドフルネスを実践していると、こんな風に自分の感情と行動を「選択」できるようになります。仕事もプライベートも人間関係がよくなりますよ!
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マインドフルネス瞑想のやり方とは?
マインドフルネス瞑想は、日常生活の中で気軽に実践ができます。
ここでは、呼吸に集中する瞑想法を解説します。
マインドフルネス瞑想の実践法を解説
呼吸に意識を集中させる「呼吸瞑想」のやり方を紹介します。体を締めつけない楽な服装で、静かな場所で行いましょう。
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- 《呼吸瞑想の手順》
- イス(または床)に座り、背筋をピンと伸ばす
- 手のひらを上に向けて、手の甲を太ももの上に置く
- 息は鼻から吸い、鼻から吐く(苦しければ口から吐いてもOK)
- 軽くあごを引き、目をつぶる
- 腹式呼吸をして、おなかがふくらみ、へこんでいく感覚に集中する
- 雑念が浮かんだときは、雑念に気づいて、そっと意識を感覚に戻す
※呼吸は深呼吸ではなく、自然なペースで行う
※姿勢が悪くなってきたら、背筋をピンと伸ばす
※途中で眠らないように注意!
マインドフルネス瞑想を続ける方法
マインドフルネス瞑想を継続するためには、起床時や就寝時などに行い、習慣化するのがおすすめです。時間をとって瞑想をしようとすると続かない可能性があるので、まずは2~5分から始めましょう。
また、体調や気分によって瞑想に集中できない日もあります。そんなときは、「集中できないなんてダメだ」と自己嫌悪に陥らず、ただ目を閉じて腹式呼吸をするだけでいいですよ。完璧にやろうとせずに、リラックス法として活用を。
「マインドフルネスは効果がない」と感じる人がいるのはなぜ?
マインドフルネスを学び、瞑想を実践してみたけれど効果がなかった!
そんな風に感じる人もいます。
「やってみたけど、瞑想が合わなかった」という人はいるでしょう。ですが、「効果や変化がまったく見られなかった」ということはないはずです。
では、なぜ効果がないと感じる人がいるのでしょうか?
マインドフルネスには効果がないの?
人によって感じ方が違い、効果も人それぞれです。
なので、「効果がない」と感じる人は、「どうなれば効果があると感じられるのか?」と考えてみましょう。
たとえばその答えが、「マインドフルネスを実践したら不安を感じなくなり、ストレスがなくなると思っていた」だったとします。
まず、マインドフルネスを実践しても、不安をまったく感じなくなるということはありません。不安は人が生きていくうえで、必要なものだからです。
不安がなくなると危機管理ができず、命に危険がおよぶからです。人間にもともと備わっているものだと思ってください。ただし、マインドフルネスによって不安を軽減することはできます。
また、瞑想をしたからといって、自動的に不安やストレスがなくなるわけでもありません。瞑想中に「不安」が浮かんできたら、不安を増大させないようにします。「今」に集中して、不安から連想する出来事や心配をイメージさせないようにするのです。こうして意識的に思考をコントロールすることで不安を抑えられるので、その結果としてストレスが減ります。
そして、マインドフルネスの効果を感じるためには、ある程度の時間が必要です。だから、「効果がない」と感じたら、もう少し続けてみてください。継続して瞑想を行い、日々の生活の中でマインドフルネスを心がけることで、「前よりもストレスが減ったかも」と感じるはずです。
マインドフルネスがもたらす変化とは?
マインドフルネスを取り入れることで、さまざまな変化があります。
心配事や悩みへの不安が大きくなりそうなときに、思考をいったんストップさせられるようになります。思考回路の変化によって、ネガティブな感情にとらわれなくなるでしょう。
また、体の不調や心の状態にも気づきやすくなるので、早めに対策がとれるという良さもあります。
「気づくこと」自体が意識の変化であり、その気づきによって行動を起こすことで、より変化を実感できますよ。
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マインドフルネスの効果を実感するコツ
ここでは効果を感じやすくなる具体的な方法を4つ紹介します。
これからマインドフルネスを始める人も、「効果がなかった」と感じる人も、取り入れてみてください。
瞑想前と瞑想後の違いを感じる
瞑想前と後で違いがあれば、効果を実感しやすくなります。比べるのは、心拍数や体の調子、感情などです。
たとえば、瞑想前はイライラしていて、頭に血がのぼったように顔がカーッと熱くなっていたとします。瞑想を5分ほど行い、瞑想前と同じくらいイライラしているかどうか、自分自身を観察します。
イライラが少し落ち着いた、怒りを感じた相手に対しては「なにか事情があるかもしれない。まずは話を聴こう」と思えた。このように感情や思考が変わるのが、「効果」です。
顔の熱さがおさまり、心拍数が落ち着いてきて、瞑想後はスッキリとした気分になっていた。このような身体的な変化や感覚の違いがあるかもしれません。
瞑想前と後は変化がわかりやすいので、効果がわかりにくい人はぜひ瞑想後の自分に注目してください。
瞑想日記をつける
瞑想を行ったら日記をつけるのがおすすめです。
日付、行った時刻、瞑想時間、場所、瞑想方法、そして、感じたことを書きましょう。
瞑想を行った直後はそのときの感覚をよく覚えていますが、時間が経てば忘れるものです。だから、「瞑想をしても何も変わっていない」と感じてしまうのかもしれません。
瞑想日記をつければ、「こんなに長く瞑想ができるようになった」とか、「今日の瞑想はとても集中できた」というように、変化していることがわかります。
ただし、前日の瞑想よりも「良い瞑想」をしなければならないわけではありません。マインドフルネス瞑想では、良し悪しの判断や評価を下さないというルールがあります。ですから、瞑想中に集中できなくても反省しなくてOK。その日の瞑想で感じたことを自由に書きましょう。
ネガティブな感情や記憶がよみがえったときに実践する
人間の五感は記憶と結びついています。ショッピングモールを歩いていたら学生時代にはやった歌が流れてきて当時を思い出した、という経験がある人は多いでしょう。
このように五感がスイッチとなって、過去のネガティブな感情や記憶がよみがえることがあります。誰かと楽しく過ごしているときやリラックスタイムなど、「思い出そう」としていないときに、ふと記憶がよみがえってテンションが下がってしまうことも。
そんなときこそ、マインドフルネスの出番です。過去の嫌な気分になる出来事を思い出したときは、「今」に意識を集中させます。すると、連想ゲームのように過去の嫌な記憶を思い出すのを食い止めることができます。
過去を思い出すのをやめて、「過去は過去、今は今」と気持ちを切り替えます。そうすることで、ネガティブな感情や記憶がよみがえっても、嫌な気分を引きずらなくなりますよ。
マインドフルネス瞑想を継続する
マインドフルネスの効果や変化を実感するためには、やはり継続することが大事です。
長く続けるためには、完璧を目指さないのがポイントです。「今日は集中できた」という日も、「今日は雑念が多かった」という日もあっていいのです。気分が乗らない日は瞑想をしないのもいいでしょう。
ゆるーくマインドフルネス瞑想を取り入れ、自分自身の小さな変化に意識を向ければ、マインドフルネスの効果を感じられるはずです。
婚活・恋愛心理カウンセラー/マインドフルネスインストラクター:谷本由紀
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・好きな人がいるけど、うまくいかない。自分がどうしたいのかわからないから、相談にのってほしい。