新卒者が企業への入社前に抱く不安、それは「馴染めるだろうか?」「上司や同僚に嫌われないだろうか?」という人間関係に関係するものだと思います。職場の人間関係を円満に保てるかどうかは、毎日のモチベーションややりがいに直結するはずです。そこで、入社前に抱える会社への不安を取り払う心得について紹介していきます。





・嫌われる勇気が大切


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心理科学者であるアドラーは、勇気の中でも嫌われる勇気を重要な要素として取り上げています。
新卒者は、入社すれば目上の人に背いてはいけない、従わなければいけない、そうしなければ嫌われてしまうと考えるはずです。
その思想は、上司の思惑を察し、できる限り従おうという気持ちになります。
また、上司の期待や希望を直接確認することにおいても、相手の気を悪くさせる心配に繋がり、コミュニケーションを避けるようになってしまうかもしれません。

基本的には、上司と部下という上下関係がある立場であっても、その関係はお互い様であると考えられます。
仕事を覚えた新卒者が逃げ出したり、倒れてしまったりするのは、上司の立場からしても困るものです。
心理科学者であるアドラーはこのことを共同体感覚と呼んでいて、つまりは体力的や精神的、時間的に辛い時は正直に伝える事が、場合によっては上司のためにもなるということです。
異議を申し立てるような行為は嫌われる結果を招くと心配になりそうですが、お互い様の関係なので、強く心配する必要はありません。

・自らが変わる勇気を持つことも必要


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嫌われる勇気を持ち、上司に異議を申し立てたり、お互い様の感覚で接したりしたとしても、安々と負担を減らすような対応をしてくれるとは限りません。事情は理解してくれたとしても、上司も限界だから仕事を任せるしかないという事になる可能性も高いです。

心理科学者のアドラーは、自らが変わる勇気の大切さも取り上げています。自分が変わり、上司の希望に添えるためにも、不安があるならしっかり話し合うべきです。不安があるなら、弱みを見せるような形にはなってしまいますが、話し合う事が今後を変える可能性もあります。必要以上に仕事を重いものと考えていたり、自分の立場の認識が誤っていたりと、考えを変えるきっかけになるかもしれません。
新卒者が抱える入社後の不安は、上司との付き合い方を前もって決めておけば、いくらか取り払われるでしょう。

嫌われる勇気と自分が変わる勇気を持ってみて下さい。





心理学ライター:響孝二

WRITTEN BY 響孝二

響孝二
新聞記者、心理学ライター 1977年生まれ 北海道出身 公立高校を皆勤賞で卒業後、国立室蘭工業...