■爪半月がほとんどない人は不健康?半月の大きさは健康と関係がある?

爪の根元にある白い部分を「爪半月」と言います。爪を省略し「半月」とも呼ばれています。

この爪半月がより大きい人は健康である、という話を昔から聞きますが、実際はどうなのでしょうか?

手相学としても見れるところですが、西洋医学(皮膚科)の分野も含めて考えてみたいと思います。


出典:花岡正人

「爪半月」は、爪の根元にある爪母(そうぼ)といわれる爪を作っている部分が透けて見えていて、この爪母は水分を多量に含んでいるので、爪は透明な状態で現れます。

爪母上の爪半月の位置より爪が伸びると、透明な爪は、爪の大部分となるピンク色の部分になりますが、この部分は爪と接している部分から水分を得て透明となっているため、爪の下を流れている血液の色が見えていることになります。

そのため、皮膚から離れた爪の先端部分は水分を失って白くなっていきます。

■爪半月の大きさは、栄養状態の行き渡り具合を表します

爪の成長が速いほど、爪半月は大きくなります。

皮膚科の専門医の先生の統計では、親指が一番伸びが速く、小指が遅いそうで、爪半月の出現率は、上図表の如く親指で95%~小指で35%(女性は5~10%下がる)ですので、爪半月がなくても気にするものではありません。
(幼児にはほとんどなく20歳前後で上記数値となり、歳を重ねるごとに小さくなっていきます)

よく、大きいほど健康と言われるのは、栄養失調で爪の伸びが遅くなり半月が出にくいことがあってのことと判断されています。

しかし、飽食の現代ではその差はなく、病気でも大きかったり健康でも小さかったりするのが実情で、皮膚科としては何の健康上の違いも見つからない、と述べています。

爪半月が大きいと健康で、小さかったり無かったりすると不健康だと言われることもあるようですが、実は医学的な根拠は無く、生まれつき爪半月が無い人もいるのです。

爪の半月があるけれど、半円状ではない人もいるため、爪半月だけで健康か不健康かを判断するのは早急と言えるでしょう。

■爪半月の大きさから栄養上は気にしなくて良いが、体質の影響は考慮するべき

西洋医学としては、爪半月の大きさによる健康上の違いは見られないようですが、栄養状態で大きさが変わるということは言えそうですね。

その違いは東洋医学・掌紋医学で未病を含め体質として診断し、手相学では性格の違いとしても鑑定しています。

■爪半月は、栄養の吸収により、血液の循環に影響しているとされています

<一番爪半月が出やすい親指を見てみましょう>

①爪半月が爪の長さの、1/5程度であれば、標準で健康的です。

②爪半月が爪の長さの、1/5以下(ほとんどない)であれば、新陳代謝が弱く、低血圧や貧血になりやすく、過労が続いている場合もあります。
血流が弱くなっていて毛細血管まで血液がうまく流れていない可能性がありますので、適度な運動や、手足を温めることなどを心掛けてください。

③爪半月が爪の長さの1/5~1/3程度の大きめの場合は、血液循環器系が良く流れてはいるのですが、過度に働きすぎていて高血圧になりやすく、将来、心疾患や脳卒中などのリスクがありますので、生活習慣には気を配っていただきたいと思います。

④1/3以上の場合は、腸への吸収も非常に高く、脳出血や心筋梗塞などには充分お気をつけていただきたいと思います。

■爪半月はあるが、くっきり出ている人と、色の差が少ない人の差

血液循環や胃腸の吸収などが活発であれば、爪の伸びは早くなるため、爪は薄くもなり、より透明になります。

そのため、爪半月は爪母の色の白色がより強く現れ、それ以外(爪甲)は毛細血管の赤色がより強く見えるため、くっきり色の差が見えます。

逆に、血流が悪くなると、爪の伸びが遅くなり爪が厚くなり透明感が弱くなると共に、爪下の血流も弱いため毛細血管自体の赤色も弱くなり、結果、全体的に白くなって爪半月の白色との色差がなくなり爪半月が分かりづらくなります。

つまり、爪半月の大きさだけでなく、爪の色が白っぽくなったり、逆に赤みが強く出すぎても血液循環器系への影響が考えられますので、普段の健康チェックの一つとして取り入れていただくとよいと思います。

また、別の機会に、健康・疾患診断としての爪の色(赤・白・緑・黄・茶・黒)や部分的変色、縦筋・横筋、凹凸、変形などのお話ができればと考えております。

■手相と爪半月の関係

手相と言えば、どうしても手のひらに刻まれている線ばかりに集中しがちですが、手のひらの大きさや指の長さ・太さなど、手を総合的に観るものが手相なのです。

もちろん、爪にも重要な意味があります。
ここでは、爪半月の大きさでその方の分析をしてみましょう。

・爪半月が大きい「気遣い型」
爪全体の5分の1以上の爪半月がある場合は、周りの空気を読むのが上手であったり、場の盛り上げ役になるようなタイプの人が多いです。
しかし、本当にそうした役割がやりたいかというと、そうではない場合もあり気苦労も絶えないことが多いのです。
自分を大きく見せたり、人がやりたがらないことをやるけれど、本心では仕方なくやっている、ということもあります。
人からは気がいい、気前が良いように見えることもありますが、爪全体の4分の1以上の爪半月がある方は、自分が無理をしていないか、今一度振り返ってみましょう。

・爪半月が全体の5分の1程度「標準型」
爪全体の5分の1程度の爪半月であれば、標準型と言えます。
健康状態や精神面においてそれほど問題は見られないことでしょう。

・爪半月がほとんどない、もしくは全くない「ストレス抱え込み型」
爪半月がほとんど見えない、もしくは全くないという場合は、知らず知らずのうちにストレスを抱え込んでいる可能性があります。
内気だったり物静かだったりして、自分の気持ちをオープンに表にできないことも多いでしょう。
そのため言いたい事を言えずストレスをためがちです。
胃腸が弱い傾向にあり、ストレスが下痢や便秘などのお通じにつながることもあります。

爪全体の5分の1以上の爪半月の方と似ているようにも思えますが、人前に出るのが苦手だったり、口数が少ない寡黙なタイプが多いので、抱えている問題は似ていても、周囲の人から見ると正反対の人格のように見えることが特徴です。

爪半月がほとんどない、もしくは全くないという方は、自分が無理をしていないか、またストレスを一人で抱え込んでいないか、少し立ち止まって考えてみてくださいね。

■爪半月を見れば新陳代謝の良し悪しが一目瞭然!

個人差はありますが、爪は4か月~半年ほどで生え変わります。

爪は代謝の良い人ほど早く、遅い人ほどのびるのが遅くなるため、半月もそれに比例します。
その人の代謝の良し悪しは爪半月を見ればすぐにわかるのです。

爪半月が大きい人は新陳代謝が早く、半月が小さい人や見えない人は新陳代謝が遅いという証拠です。

手相鑑定とはやや外れますが、代謝の良さの判断材料にはなりますので、気になる人はご自身の爪半月を定期的にチェックしてみましょう。

■手相では爪も見るのでマニキュアやネイルチップなどはオフにして鑑定に

女性の方は、マニキュアやネイルチップ、ジェルネイルなどおしゃれのために爪の装飾をすることもありますが、手相鑑定に行くときには、正しい鑑定を行ってもらうために、こうしたネイルの装飾はオフにして行くほうがより正確な結果を受け取れるはずです。

本格的な手相鑑定であれば、手の全てをくまなく観察し鑑定を行うので、それを心得てから鑑定に臨みましょう。

手相セラピスト:花岡正人

WRITTEN BY 花岡正人

花岡正人
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