初めて社会に出る新卒者の方々は、「結果を出せるだろうか?」「失敗しないだろうか?」と仕事に関する不安を募らせる事が多いと思います。実際のところ、意識すべきところは業務よりも人間関係でもあります。
入社前には仕事がどうこうというよりも、職場の人たちとどのようにして付き合っていくのか、そう考えるのがとても大切です。





・仕事における不安は人間関係


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心理科学者であるアドラーの格言に、「究極的にはわれわれの人生において、対人関係以外の問題はないように見える」という思想があります。業務に関しては、自身の努力や工夫、そして経験を培っていけばどうにか対処できる部分である一方、人間関係に関しては努力でどうこうできるものとは限りません。
なのでもし、入社前に社会人として前線に立つ事において不安を抱えているのであれば、仕事の事よりもどうやって職場の人間と付き合っていくかが大切だと言えます。他にもアドラーの格言には「すべての悩みは対人関係の課題である。仙人のような世捨て人さえも、実は他人の目を気にしているのだ」というものもあります。どれほどの人でも結局は人の目を気にするものです。
しかし、他人の期待を満たすために生きている訳ではありませんし、周囲の評価ばかりに目を向けていると、結果的には他社の人生を生きる事になるでしょう。これもまたアドラーの考え方の一つなのですが、他人の評価や期待ばかり気にして自分を失うのではなく、自分なりの生き方、働き方を見つける事が新卒者にはとても大切な意識だと思います。

・コミュニケーションは避けない


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上司との付き合い方は、入社後における大きな課題や不安と言えます。期待に応えるため、いつまでも媚びへつらうようでは、良い関係は築けても、いずれ自分の心が折れてしまう事でしょう。アドラーの思想には、嫌われる勇気というものが存在しますが、自分にとってより良い職場環境を作り出すには、嫌われる可能性がありながらも、自分の意見や気持ちはしっかり伝えるべきなのです。
嫌われる事を恐れると、上司とのコミュニケーションは減り、結果的に距離は遠のきますし、自身にとって過ごしづらい職場環境へと成り替わるでしょう。上司と部下は持ちつ持たれつの関係でもありますので、自分の気持ちははっきりと伝えるべきです。上司の顔色を伺うような過ごし方を続けていても、自分にとって良い結果を生み出しません。入社後の人間関係の不安は、上司に嫌われても良いくらいの覚悟を持っていると、楽になるはずです。





心理学ライター:響孝二

WRITTEN BY 響孝二

響孝二
新聞記者、心理学ライター 1977年生まれ 北海道出身 公立高校を皆勤賞で卒業後、国立室蘭工業...