「運命」という言葉は色々なところで使われていますが、改めてその定義を見てみるのも様々な発見が得られるものです。日本の風水は中国に由来しており、歴史の流れの中で独自の発展をしてきた面もあります。風水学が意味する運命という言葉について見ていきましょう。

「一命二運三風水四積陰徳五唸書」

中国には「一命二運三風水四積陰徳五唸書」という古い言葉があります。この言葉が指し示す意味は第一に命(天命・宿命)、第二に運、第三に風水といったことを表しています。そして第四に陰徳を積む(人の見ていないところで善い行いをする)、第五に唸書(読書をしたり、勉強をしたりすること)と位置づけられているのです。
この配列にしたがうと風水は三番目に位置しています。一番目に掲げられている命(めい)は天から与えられた使命のことであり、持って生まれた資質(先天運)のことを指します。二番目の運は「運命」そのもののことを指しているのです。そして風水は広い意味で「環境」を指す言葉として使われています。

命や運は自分の努力で変えていくことは困難であるものの、三番目の風水や陰徳、唸書は自らの行動で変えていくことが可能です。日頃の行いや環境が運命に影響する部分もあることを押さえておきましょう。

「命(めい)と風水を乗じれば運となる」

別の考え方として、自分の力では変えることができない命(めい)と人の力で変えられる風水をかけ合わせれば、運命を形作ることができるというものもあります。運命は自分の都合ではどうにもならない部分もあるので、場合によって受け入れがたいと感じる面もあるでしょう。その一方で、環境は自らの手で変えられるため運気の流れを変えていくきっかけともなるのです。
風水を考えるときの手法としては地形などの目に見えるものから考える「巒頭(らんとう)」といった方法と、運気の流れなど目に見えない部分から考える「理気(りき)」という方法があります。

これらをうまく組み合わせていくことで、取り巻く運気を変えていこうという視点があるのです。

日常生活の中にこそ、「風水」は存在している

風水は普段意識をしなくても、生活にとても身近なものでもあります。たとえば、部屋が散らかっていたり、汚れていたりすると悪い気が停滞してしまって運気を下げてしまいます。また玄関に配置する鏡の位置や寝具の方位など、日常のこまやかなところで風水は影響しているのです。

 

WRITTEN BY 方山 敏彦

方山 敏彦
ライター・編集者。 趣味が高じて、いつの間にか「占い」にどっぷり浸かる 。料理のメニューに困った...