月に関する基礎知識〜暦・日常・天文学・占星術などの各面から〜

「月」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?通常は「1月・2月・3月」という暦の月か、または「三日月・満月」などの空のお月様でしょう。
このサイトをご覧の方ならご存知の方も多いと思いますが、暦の上の「1月・2月」「1ヶ月間」「先月・来月」などは、もとは実際の空のお月様と非常に深くつながった言葉なのです。


photo by ホシハルカ
 

旧暦の起点となる旧正月(春節)とは

 

日めくり暦〜昔からの様々な情報が盛り込まれている暦には、干支や六曜などの他に「旧暦」という日付が載っていますね。アジア圏の多くの国で今でも使われている旧暦ですが、日本では欧米化を進めるため明治5年に新暦(グレゴリオ暦)が導入され、旧暦は実質廃止されてしまいました。

 

「旧暦」の正式名称は「太陰太陽暦」。月の運行をもとにした太陰暦と太陽の運行をもとにした二十四節気とが組み合わされ、閏年や閏月などで暦のずれも補正する詳細な暦です。

 

旧暦の新年は「旧正月」。二十四節気の「雨水」の前にある新月の日で、年によって1月21日〜2月20日の間で日にちが変わります。ちなみに二十四節気は占星術の星座の起点と合致しており、「雨水」は水瓶座の起点になります。

 

「新月」は「朔・朔日」とも言い、よみがなは「さく・さくび・ついたち」ですから、新月が旧暦の1日(ついたち)と合致している事がわかります。

 

同様に「三日月」とは新月から3日経った細い月で、旧暦の3日と合致しますし、「十五夜お月さま・望月」は新月から2週間後の満月で旧暦の15日と合致します。

 

旧暦の旧正月である新月から1月が始まり、次の新月から2月…と旧暦では刻んでいくのです。そして月は日々形を変え、現れる場所も1日に12〜13度ずれていきます。昔の人が月を見上げては「そろそろ上弦か…」「もうすぐ十五夜だな…」などと受け止めていたのが想像できますね。

 

 

公転周期と朔望月の違い

さて、1ヶ月の間に新月→上弦→満月→下弦→新月と巡っていくお月様のサイクルですが、調べると「公転周期」と「朔望月」という二つのキーワードが出てきます。

 

公転周期は月が地球のまわりを回るサイクルで、約27日。
朔望月は新月から次の新月までのサイクルで、29日半。

 

この違い、ご存知の方には明白ですが、そうでない方には「???」となる箇所ですね。この数字のずれは「地球が太陽の軌道上を動いているから」なのです。
地球は太陽の周りを365日かけて回っており、1ヶ月に約30度動きます。月が地球を公転する間に、地球は太陽周囲の軌道を30度動くわけなので、朔望サイクルにずれが出るのです。

 

小学校の頃、数学の授業で時計の問題が出たかと思います。アナログ時計で長針が12時を指すタイミングと、長針と短針がぴったり重なる回数が違うという問題と同様の現象だと思うと想像しやすいでしょう。

 

 

月の満ち欠けと生理周期の謎

 

さて、27日や29日といった数字が出ると、女性なら何かに似ていると連想しますね。そう、女性の生理のサイクルの平均値とほぼ一致しているのです。

 

月と太陽の重力が潮の満ち引きを起こすのは皆さんご存知ですね。大潮・小潮といった言葉を聞くことも多いでしょう。月の重力によって地球の水は影響を受けて、空に月が見えない日でも深い海の中でも生物の命の営みに影響があるのです。生物はすべて生理現象に潮の満ち引き=月のサイクルの影響を受けていますから、女性の生理のサイクルも月のサイクルと似ているのです。実際、月経とかメンスとか「月」に関係した名称が付いているのですから。

 

生理だけでなく、月のサイクルはホルモンバランスやバイオリズムにも関係しています。満月になると興奮して眠れなくなる等という話もよく聞くところです。
西洋占星術でも月は「水」を象徴し、気分・感情・体質などを表すといわれます。

 

さて、生理のサイクルと月のサイクルがほぼ一致しているといっても、現代では合致しない人が増えているのも事実です。

 

実際、昔は照明設備など無く、月明かりとせいぜい蝋燭の灯などで夜を過ごしていた人類が、石油や電気などのエネルギーを多用し夜昼関係なく明かりを浴びっぱなしの生活をしています。そのため身体が自然のサイクルを忘れてしまい生理のサイクルも乱れてしまうのかもしれません。

 

一説によると、日の出・日の入りと共に活動をするよう努め、夜更かしを控えつつ時々月光浴をする事で生理のサイクルだけでなく情緒も安定し健康につながるともいいますね。
そのような生活が理想でありながら夢物語になってしまう程、現代の生活は自然から遠ざかっているのかもしれません。

 

 

自分の生まれた日の月の形〜心身のリセットポイント

 

ご自分の生まれた日の月の形をご存知ですか?ご存知ない方はこの機会にぜひ調べてみてください。「月齢カレンダー」「生まれた日の月齢」で検索すると無料のサイトで調べられます。
または「旧暦カレンダー」で生まれた日が旧暦の何日かを知っておくのもいいでしょう。
生まれた日の月の形と、その時々の月の形が同じになる日は1ヶ月に1度あります。

 

その日の前後は心身のバランスを取ることがおすすめ。具体的には

・ゆっくり休息する
・温泉やスパに行く
・海辺、水辺、滝に行く
・マッサージやセラピーなどを受ける
・体に優しい食事をとる
・心からの願いを強く思い描く

…といった行動が良いでしょう。

激務や派手な遊び、徹夜や不摂生はなるべくしないように。何故かというと月が同じ形になる時は心身のリセットポイントなのです。

 

海外のある研究者は月と受胎の仕組みを研究し、自分が生まれた日の月と同じ形になる日に受胎しやすいという発表をしました。すべての人がそうなるとは思えませんが、エアポケットのようにそこでバイオリズムがリセットされるような作用があれば、意図によって何かを呼び込む事も可能なのかもしれません。だからこそ、大事にしたい日なのです。

 

 

月が同じ向きを見せている謎

 

月の表面の模様はいつもほとんど同じです。そう、月は地球に対していつも同じ顔を見せています。では月の裏の顔はどうなっているのでしょうか?探査機が撮影した月の裏側は、表側とは打って変わってクレーターだらけのボコボコの顔になっています。なぜそちら側は地球に見えないのでしょうか?

 

月は一回公転する毎に一回自転しているので、地球に対していつも同じ向きを見せているのです。
それは何故でしょうか?

 

月の表側は鉄などの重たい物質の割合が多く、裏側はカルシウムなどの軽い物質の割合が多いのだそうです。重たい側が地球の重力によって引きつけられ、常に同じ側を見せているのです。丸いボールの片面に重りをつけて水に浮かべると、ボールはひっくり返る事はないでしょう。まるで地球の重力圏が水面のようになり、月がそこに浮かびながら重たい面を地球に向けていると思うと納得ができます。


出典: Pixabay
 

月の大きさの謎

 

月は太陽と見た目の大きさがほぼ一緒ですね。太陽は月の四百倍も遠くにあり、地球からの距離も月と太陽では四百倍違うので、地球からの見た目の大きさがほぼ同じになるという事実。とても不思議な偶然の一致といわれています。

 

太陽と月の対比については昔から様々な伝説・伝承で語られています。遠くにあるものと近くにあるもの、動きの早いものと遅いもの、強い輝きとおぼろな輝き…そういった二項対立が私たち人間の精神や生活に影響しているといえるでしょう。

 

どういう理由で月と太陽の大きさがほぼ同じであるにせよ、今の人類ひいては地球の生命体は、月と太陽から受けている影響無しでは存在できないのかもしれません。
もしも月の大きさや距離が今と違っていたら、私たち人間のあり方、いえそれどころか地球のあり方そのものが、今とは全く違うものになっていたかもしれませんね。

 

 

月の様々な呼び名

 

日本でも海外でも、月の呼び名は聞き慣れたものから、あまり聞かない風流なものまで様々です。

 

三日月は英語でクレセント・ムーン。フランス語ではクロワッサンです。
新月から満月に向けて大きく丸くなっていく月を英語ではワクシング・ムーンといい、ぴったりの半月を日本では上弦、英語ではハーフムーン、またはファーストクオーターと呼びます。

 

日本では満月の少し前から月の名前が豊富になり「十三夜」「小望月・幾望」「満月・望月」「十六夜・不知夜・既望」「立待月」「居待月」「寝待月・臥待月」「更待月」と続き、下弦のワニング・ムーンを経て、新月の前日に「晦(つごもり・みそか)」を迎えます。

 

満月の前は日没後すぐに月が見えるためワクワク・キラキラなイメージですが、満月をすぎると月の出の時間が徐々に遅くなっていくため、風流な人々はいつ月が出てくるのかと待ち構えていたのでしょう。例えば月相18日の「寝待月」などは、月の出が夜21時すぎ、見頃の高さになるのが23時〜24時頃なので、昔の人からみるとその月を見るためには夜更かしが必要だったのですね。

 

 

月のサイクル活用術

 

新月の少し後、細い月の光がほのかに夕空に浮かぶ頃からは、物事をスタートさせるのに良い時期です。何かを増やす、得ていく、積み上げる行動をとりましょう。上弦の半月の時は頑張るのはお休み、また自分の生まれた日と同じ形の月の日もお休みにして、満月に向けて盛り上がっていきましょう。

 

満月は何かの完成、クリアポイントです。13〜14日前の自分の目標は達成されたか、または順調に動き出しているかを確認しましょう。
満月が少し過ぎた頃からは、何かを減らしていくのに良いタイミング。無駄を省く、断捨離をする、不要なデータを取り除く。そして下弦の半月もお休みにして、新月までどんどん物事の軽量化を計りましょう。
 

 

お月様についての雑学は、実はまだまだあります。地球に最も近い天体でありながら、謎に満ちた月。その月と仲良くなるためには、月を理解した方が良いでしょう。このコラムがあなたと月との橋渡しになる事を願います。
 

 

西洋占星術師:ホシハルカ

WRITTEN BY ホシ ハルカ

ホシ ハルカ
専門は西洋占星術です。 アメブロ http://ameblo.jp/hoshi-haruka/ ...