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ジオマンシーショートストーリー

ジオマンシーは、アラビア生まれのとても当たる占いです。ジオマンシーの16のシンボルにまつわる物語を、一話完結のショートストーリーとしてご紹介していきます。

ケース11「少女」〜ケンタの場合〜


出典: Pixabay

ケンタは少女マンガ編集者だ。

最近、漫画家の間でジオマンシーという占いカードがちょっとしたブームになっている。

ケンタが担当する新人マンガ家のアオイも、人間関係を占ってすごく当たったらしい。

「あたし、次の作品が勝負だって思ってるんです。どんな作品にしようか、占ってみたいんで、1枚引いてください!」

アオイが、ケンタにカードを差し出した。


出典: Pixabay

「1枚ね。はい。ええと、『少女』のカードだね」

アオイは、カードをじっと見つめた。

「少女……女性性を表すカードですね。女性……ジェンダー……女性が輝く社会……」

「少女って……」

ケンタが言いかけたのと同時にアオイが「これだ!」と手を打った。

アオイがふりむく。

「何か言いかけました?」

「ううん。何でもないよ。それより、アオイちゃん、思いついた?」

「女性の自立! 雇用の機会均等の話! ぜったいイケる!」

「そっか、まあ、それもいいかもしれないな」

目をかがやかせるアオイに、まずは好きなようにやらせてみることにした。

春号のマンガ誌で、アオイは雇用機会均等を実現するために奮闘する女性を描いた。一生懸命調べて、真面目に取り組み、読み応えのあるいいマンガになった。

ただ、読者の反応はさっぱりだった。大注目を浴びたのは、同じく新人マンガ家の胸キュン恋物語だった。

がっくり落ちこんだアオイを、ケンタは飲みにさそった。

「読者投票はともかく、いい話だったよ」

ケンタのなぐさめに、アオイは首を振った。

「あのとき何か言いかけてましたよね? あたしの占いの解釈が間違ってました?」

真剣な顔で見つめるアオイに、ケンタはドキッとした。

「っていうか、ぼくはもっと単純に可愛いものにときめくような乙女心なのかなって思ったんだ……でも。でもさ、もっといろんな可能性があると思うんだよ。少女マンガにはさ」

ケンタは姉の少女マンガを読んで育って、マンガ編集者になった。少女マンガにはSFも戦隊ものも、お仕事ものも歴史物もある。

「そう! それ! だからあたしも……」

その夜は、少女マンガについて語り明かした。

ふたりは担当編集者とマンガ家ではなく、少女マンガを愛する同志だった。

それから数年。

アオイは誰もが認める人気少女マンガ家となった。

あの、読者投票が最低だった作品がアオイの転機となった。

そしてプライベートでも。


出典: Pixabay

担当編集だったケンタは、今では公私ともにアオイのよきパートナーだ。

少女のカードに描かれた女神のイラストを見た瞬間、

「アオイちゃんみたいだ」って思ったことは、まだアオイには言っていない。

 

ジオマンシーシンボル「少女」のキーワード

女性。美。ときめき。恋。

*画像は「ジオマンシーカード」「ハピタマ!」です。

 

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占い師・作家:高橋桐矢

WRITTEN BY 高橋桐矢

高橋桐矢
高橋桐矢(たかはしきりや)占い師兼作家。 雑誌「ムー」(学研プラス)に毎月の占い掲載。 著書『占...