日本一の高さを誇る富士山。
荘厳美麗な雄姿は見る者の心を惹きつけて離しません。
はるか昔は噴火を繰り返す神が住まう山として畏れ敬まれてきた富士山。山全体がご神体と崇められ、今なお遙拝と登拝の対象として国内外問わず、多くの登山客が来訪します。そんな富士山巡礼を都内にいながら体験できるってご存知ですか?
今回は都内の富士山、江戸七富士をご紹介します!

富士塚をご存じですか?


出典:無料画像素材 写真AC

神社の中にゴツゴツした岩山やこんもりした丘が祀られている場所があるとしたら、それは富士塚かも知れません。江戸時代に繁栄した富士山信仰。
「富士塚」とは、富士山信仰に基づいて造られた、富士山をモチーフにした人工の山(あるいは塚)を言います。富士塚に気持ちを込めて登れば、富士登山と同じ功徳を賜れる、と篤く登拝されました。
「お富士さん」と呼ばれ庶民から親しまれた塚の頂きからは富士山の姿が拝めたのだとか。丘や古墳を用いて作られることもあった富士塚は、都内に50基近くが現存しているそうです。高さも約1.5mから大きいもので約15mと大小様々です。実物により近づけようと溶岩を使って造られた富士塚も。富士塚を通してはるか先の富士山を遥拝していたのですね。
一部は登ることもできますが、現在は入山禁止だったり、期間限定の開山だったり、柵で囲われている場所も多いのでご留意を。





江戸七富士と呼ばれる代表的な富士塚があります。

品川富士(品川神社境内:品川区)、千駄ヶ谷富士(鳩森八幡神社境内:渋谷区)、下谷坂本富士(小野照崎神社境内:台東区)、江古田富士(茅原浅間神社境内:練馬区)十条富士(富士神社境内:文京区)、音羽富士(護国寺境内:文京区)、高松富士(富士浅間神社境内:豊島区)の七つです。当時はもう一か所、高田富士(水稲荷神社内:新宿区)が含まれ江戸八富士と親しまれていました。ことらも現存しています。
品川、十条、音羽富士はいつでも登ることができますが、富士山の山開きに合わせ7月1日のみ開かれる、という場所も。(6月30日・7月1日の2日間や正月・例祭時に開山という場所もあります)それぞれ合目ごとに石碑が置かれていたり、祠が祀られていたりと各所ごとに趣もかわる富士塚。階段が設置されている場所もありますが、斜面を登っていくような塚もあります。大抵3分程度で上がり切れる富士塚ですが、ミニチュア版だからこそ、一歩一歩に心を乗せて、遠くに臨む富士山へ想いを馳せながら進みましょう。富士の霊験を感じることが出来るかも知れません。

十条では6月30日・7月1日の開山と合わせて毎年「お富士さん(十条富士神社大祭)」が行われます。商店街いっぱいに広がる屋台を楽しみながら登拝できます。
ふと見まわしたら……ご近所にも富士塚があるかも知れませんね! 今年は夏越の祓とあわせて、東京でプチ登山気分はいかがでしょうか?





WRITTEN BY タカダ メグミ

タカダ メグミ
珈琲をこよなく愛するオンナ。 ボディからのリーディングを得意とする。「心と魂と体=三位一体」心(思...