希望のありか・なんのために生まれてきたの?

著:やなせたかし PHP研究所

photo by 逢坂朋代

〇アンパンマンと正義

戦争体験を通し、正義というのは立場によって逆転することを体験されたやなせさんは、「逆転しない真の正義」とは何かを考えました。
それは「飢える人を助ける」ことだと思ったそうです。
ヒーローといえば悪を倒すために戦うもの。でも、やなせさんの思う正義のヒーローは「ひもじい人を救うヒーロー」でした。
こうして生まれたのがアンパンマンだそうです。
でも、バイキンマンとは戦っているではないかと思いますよね?
そのことについても語られています。アンパンマンとバイキンマンの戦いは「永遠に続く」
のだそうです。アンパンマンが武器を使わずにバイキンマンと戦うか、水にぬれたり汚れたりすると力が出なくなってしまうのかについても書かれています。
そこには正義のかなしみと弱さ、そして強さが込められていました。





〇「話のホントの部分」を理解する子供の心


出典:無料素材画像 写真AC

こどもは本質を見抜く。おもしろくないものは破り捨て、面白いものは繰り返し見る。だから子供のものを作るのは難しい、というような言葉がありました。
大人はつい、こどもを「なにもわかっていない」と見てしまいがちです。
アンパンマンも、最初は評論家をはじめとする大人たちには全く評価されなかったそうです。一方で、こどもたちはボロボロになるまでアンパンマンの本を読む。それは、アンパンマンの世界に込められた「話のホントの部分」を感じたからなのかもしれません。
難しい言葉や、入り組んだ話が分かる以上に「話のホントの部分」を分かる柔らかな心を大切にしたいですね。

〇運・鈍・根

やなせさんは売れっ子作家になるまでには、いろいろな仕事をし、長い時間がかかったそうです。それも全ては無駄ではなかったといいます。
そんな中から人生に大切なこととして「運・鈍・根」という言葉が出てきたようです。
あきらめず、くさらずに自分のやることを続けていく。そうしているうちに回ってきた運をつかむことができる。やめてしまったら運をつかむことはできない。
鈍というのは、器用に何でもやらずに自分にできることをしていく、ということだと思いました。一人で何でもかんでもすることはできない。それぞれの人が自分の出来ることをして、それが組み合わさって物事を進めていくことができる。
この本は東日本大震災の後に行われたインタビューからできていて、復興についても語られています。
復興も、大きく困難な仕事も「運・鈍・根」が大切だと、やなせさんは語ります。
90歳を過ぎたやなせさんが、復興のために現場に行って瓦礫をどかすことはできない。
でも、絵や歌を通して元気づけたり、励ますことはできる。それを、腐らずにコツコツと続け ていく。善きことの一つとなるように自分の出来ることを積み重ねていくことの大切さを教えられます。

〇やなせさんの描く「希望」


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最後に、やなせさんが残した「100年後へのメッセージ」をご紹介します。
「100年後へのメッセージ
100年後の世界では、 漫画的精神で、みんながなかよく、そして面白く、 楽しく暮らせる世界になってほしい。
希望を込めて、そう考えています。やなせたかし」

アンパンマンのテーマソングの歌詞にある「なんのために生まれて なにをして生きるのか」
やなせさんにとっては、こどものために創作することでした。
100年後、やなせさんが願った世界をこどもたちに渡すために。 私たちも「なんのために生まれて なにをして生きるのか」をみつけていきたいですね。





スピリチュアルライター:逢坂朋代

WRITTEN BY 逢坂 朋代

逢坂 朋代
「スピリチュアル好き」の主婦であり、占星術の鑑定もしています。 現在子育て奮闘中。 精神世界・ス...